PLCラダーロジックFAQ:初心者から習熟者への実践的な道筋


APDahlen Applications Engineer

この技術解説では、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)およびスマートリレーにおけるラダーロジックの使用に関するよくある質問にお答えします。


この記事は、DigiKey Field Guide for Industrial Automationの一部です。

分類: Program It → PLC
難易度: :seedling: Student — 難易度レベルの説明
著者: Aaron Dahlen | MSEE | Senior Applications Engineer, DigiKey
最終更新日: 2026年3月6日


ラダーロジックは今でも使われていますか?

はい、DigiKeyが提供するPLCの大部分はラダーロジックでプログラミング可能です。

なお、ラダーロジックは、こちらの記事で説明しているIEC 61131-3の5つのプログラミング言語の1つです。

ラダーロジックは学ぶ価値がありますか?

それでは本題に入り、この難しい質問にお答えします。貴重な時間を無駄にしないためにも、IEC 61131-3ラダーロジック(LL)言語が学ぶ価値のあるものなのか、まず知っておく必要があります。

間違いなく、LLは学ぶ価値があります!

私の経歴を少しお話しすることで、その理由を説明しましょう。私はこれまで電子技術者、エンジニア、教授を経て、現在はDigiKeyのアプリケーションエンジニアを務めています。リレー制御の時代からラダーロジックに至まで苦労した経験があり、多くの人が学習に苦労するのを見てきました。さまざまな立場での経験があるからこそ、このことを断言できます。

あらゆる要素を取り除いて、産業用制御システムの本質だけに目を向けると、システムダウンタイムこそが、どの言語を使うべきか、あるいは使うべきでないかを決定する最も重要な要素であるという結論に至ります。私たちは、取り組むべき課題に最適な言語を選択するのです。

  • 制御システムを複雑さに基づいて分類すると、比較的単純なPLCが多数を占め、複雑な制御システムへと徐々に数が減っていく、偏った分布になることが分かります。数の上では、単純な制御システムが複雑な制御システムを圧倒的に上回っています。

  • この記事を読んでいるあなたは、おそらく初心者、講師、あるいは終わりのない PLC言語論争に加わろうとしている方でしょう。初心者だと仮定して、まずは最も分かりやすい言語から始めるべきです。

  • 時間は限られています。これは、技術者やエンジニアの教育現場において特に当てはまります。カリキュラムにおけるPLC関連の授業は通常1科目、上級科目や自主研究を含めてもせいぜい2科目程度です。卒業研究の一環としてPLCを取り上げる機会もあるかもしれません。いずれにせよ、卒業までにPLCや関連ハードウェアを十分に習得する時間はほとんどありません。

  • ハードウェアについて言えば、PLCはリレー、センサ、アクチュエータといったより大きな環境の中に存在します。多くの点で、この外部エコシステムはPLC内部のラダーロジックを反映しています。一方を学ぶことは、もう一方の理解を深めることにつながります。また、ハードウェアとソフトウェアの両方を記述するために、ラダーロジックが国際的に広く用いられていることも認識しておく必要があります。例えば、私が最初に携わった送信機の制御システムには100段以上のラダーがありました。その制御システムはすべてリレー方式であり、複雑な動作のために機械式カムとカウンタが使用されていました。例として、3線式スタート/ストップ回路について解説したTechForumの投稿をご覧ください。

  • システムのダウンタイムは非常に大きな損失につながります。機械が故障すると、オペレーターの待機時間、材料の廃棄、再起動と安定化にかかる時間、機会損失、信用失墜、そして目標達成のための残業代など、1分あたり数百ドルから数千ドルの損失が発生します。

あらゆる要素を総合的に考慮すると、技術者のスキルこそが、他のすべての要素を支える基盤となります。最終的にはシステムのトラブルシューティングを行い、復旧させる技術者の能力こそ、ラダーロジックが広く採用される根拠となっています。

技術的なヒント: ほぼすべてのラダーロジック開発ツールには、プログラム内のすべての接点、コイル、タイマの状態をリアルタイムで表示するグラフィカルディスプレイが搭載されています。これは、トラブルシューティングに不可欠なツールです。ほとんどの初心技術者は、プログラムの状態を直感的に理解して機械のトラブルシューティングを行うことができます。ここでは、新人技術者がアクセスできる機械は比較的小型の機械に限られると想定しています。便宜上、「小さい」とは100段未満のラダーロジックを指すものとします。

技術的なヒント: ラダーロジックは小規模な機械に限定されるという反論があります。確かに、ある程度の複雑さになると、プログラマーはプログラミング要素の一部、あるいはすべてを構造化テキスト(ST)に移行するでしょう。これは技術者がコードを追跡する能力を低下させる可能性があります。しかし、ある段階に達すると、データ構造とフローを理解するには、通常は高度なコンピュータサイエンスの学位課程で学ぶような高級言語の知識が必要になります。しかし一方で、ハードウェアを理解していないソフトウェアスペシャリストにどれほどの価値があるのでしょうか?そう考えると、再びラダーロジックの重要性に行き着くのです。

ラダーロジックは習得しやすいでしょうか?

はい、基本的な内容であれば数日で学ぶことができ、PLCをプログラムして初歩的な論理処理や時間ベースの処理を実行できるようになります。しかし、ラダーロジックを完全に習得するには、いわゆる1万時間が必要です。Malcolm Gladwellが述べているように、これは本格的な4年間の学習期間にほぼ相当します。また、前述したように、ラダーロジックは単独で学習できるものではありません。PLCそのものと、PLCが外部機器とどのように接続されているかについても学ばなければなりません。

個人的には、機械、オペレーター、そしてPLC制御の複雑な相互作用を理解するのに苦労しています。簡単な例を挙げると、空気圧ソレノイドに不具合のある機械をどのように処理すればよいのでしょうか?作業者がライトカーテンを遮った場合、どのように安全に処理すべきでしょうか?また、PLC自体が故障した場合に備えて、フェイルセーフ冗長性をどのように追加すればよいのでしょうか?

ラダーロジックを習得するには一生かかると言っても過言ではないでしょう。

ラダーロジックの学習を始めるにはどうすればよいでしょうか?

私が教えていた頃は、必ず学生にPLC Fiddleから始めさせていました。図1をよく見ると、左上隅に「Code School」という項目があります。これらの基礎的なレッスンをじっくりと学ぶ価値は十分にあります。これらのレッスンは、特にタイマに関する構文にはメーカー固有の違いがありますが、実際のP​​LCにも応用できることがわかるでしょう。

図1: プッシュボタン式スタートストップモータコントローラの典型的な実装例

技術的なヒント: PLC Fiddleは共有を目的として構築されています。学生がURLを共有できるため、特に教室での利用に適しています。例えば、図1のラダーロジックを開くには、ここをクリックしてください。

ラダーロジックを習得するにはどうすればいいでしょうか?

これは、バスケットボール選手がコーチに「どうすれば上手くなれるのか」と尋ねるのと同じ質問です。

練習、練習、そしてさらに「練習」!

  • PLCを購入し、実際の機器を制御するプログラムを作成する必要があります。

  • 指導者を見つけてください。電子工作室での作業に進んで参加してください。小規模なプロジェクトの担当を希望してください。熱意を持って取り組めば、新たな道が開けるはずです。

  • この実践的ガイドには、メーカーのカタログへのリンクに加え、熱心にオンライン資料を提供する指導者やエキスパートへのリンクが掲載されています。

  • さまざまなプログラミングスタイルについて他の人がどのように考えているかを理解するために、PLCopenガイドラインを学習してください。

  • 他のPLC IEC 61131-3言語を学ぶことには価値があります。個人的には、新しい言語を学ぶことでパターン認識能力が向上するため、これは非常に役立つと考えています。練習として、ラダー、構造化テキスト、またはシーケンシャルファンクションブロックでステートマシンなどの並列構造を構築してみるのも良いでしょう。その副次的な効果として、どの言語がどの用途に最も適しているかを学ぶことができます。これは複数言語を混在して使用できるPLCにおいて特に有用です。

おわりに

PLCプログラミングは、人生における多くの事柄と同じです。一見すると、バスケットボールでシュートをきめるように簡単そうに見えますが、上達するには何千時間にも及ぶ意図的な練習を積み重ねる必要があります。

このFAQを改善するために、ぜひ以下の欄に質問をお寄せください。

また、何か見落としがあればお知らせください。

ご健闘をお祈りします。

APDahlen

:books: 産業制御システムの探求の継続

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:world_map: DigiKeyナビゲーション

著者について

Aaron Dahlen氏、元米国沿岸警備隊(USCG)少佐(LCDR)は、シーフリバーフォールズにあるDigiKeyのシニアアプリケーションエンジニアを務めています。エレクトロニクスおよび産業オートメーションに関する彼の知識と経験は、技術者およびエンジニアとして従事した27年間の軍歴と、その後10年以上にわたる教育経験を通じて培われました。

Dahlen氏は、ミネソタ州立大学マンケート校で電気工学修士号(MSEE)を取得しています。また、ABET認定を受けた電気工学プログラムで教鞭を執ったほか、電子工学技術プログラムのコーディネーターを務め、軍の技術者に対して部品レベルの修理技術を指導してきました。

現在は、ミネソタ州北部の故郷へ戻り、コンデンサ探しから始まった数十年にわたる旅を終えました。 彼の物語はこちらからお読みください。




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