コントローラは、センス抵抗(RSENSE) を介してループ電流を監視します。これをエラーアンプ(EA) と組み合わせることで、閉ループ型電流制限回路を形成し、故障電流を安全な範囲内に制御します。従来の開ループ型過電流保護とは異なり、応答速度が速く、精度も向上しています。
ここでは、 ADIの LTC4210 を例として、代表的なシングルチャンネル5Vホットスワップ対応コネクタについて説明します。
検出原理: RSENSE(0.01Ω)は主電流経路に直列に接続されています。コントローラは、SENSEピンを介してVINとVOUT間の電圧差(VSENSE = ILOAD × RSENSE)を測定します。
電流制限閾値の計算: LTC4210-3の電流制限閾値は、 ILIMIT = 50mV / RSENSE = 50mV / 0.01Ω = 5Aで、回路図で指定されている最大4AのVOUT仕様(安全マージンを含む)と整合しています。
動作ロジック: ILOADが5Aに近づくと、内部エラーアンプがGATE電圧を調整して電流を約5Aにクランプします。これにより、大きな過渡電流サージによる損傷を防止します。
技術的なヒント:RSENSE用ケルビンセンシングのPCBレイアウト
ケルビンセンシングは、高精度な電流検出用抵抗(RSENSE)のための特殊なPCBレイアウト手法です。その目的は、配線抵抗(RTRACK) が電流検出精度に与える影響を最小限に抑えることです。
- 主電流経路における抵抗成分の重畳: 大電流はVINからPCB配線を通ってRSENSE→負荷へと流れます。主配線自体にも小さな抵抗(RTRACK)があります。
- 検出電圧のみだれ: コントローラが実際に検出する電圧は、理想的な ILOAD × RSENSE ではなく、VSENSE = ILOAD × (RSENSE + RTRACK) となります。これにより、検出電流値が過大評価され、電流制限値や保護閾値が不正確になります。
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