低電圧ロックアウト(UVLO) は、LTC4210-3 の電源の健全性において非常に重要です。その主な目的は以下のとおりです。
- 電源電圧が低い場合にコントローラが誤動作することを防止し、MOSFET駆動不足、電流制限の不具合、およびシステムロジックエラーを回避します。
- 電源電圧が十分に安定し、信頼性が確保された場合にのみコントローラが動作状態に入ることを保証し、パワーデバイスおよび負荷の安全性を保護します。
ここでは、ADIの LTC4210 を例として、代表的なシングルチャンネル5Vホットスワップ対応コネクタについて説明します。
内部ブロック図から、UVLOモジュールはVCCピン(ピン6)に直接接続され、ロジックモジュールと連携して動作することが分かります。
1. 電圧検出およびヒステリシス特性
- 検出対象: VCCピンの電源電圧(この回路ではVCC = VIN = 5V)をリアルタイム監視
- 閾値の定義:
- 立ち上がり閾値(VUVLO_R): 標準値2.5V(VCC立ち上がり時)。VCC ≥ 2.5VでUVLOが解除され、チップは動作準備状態になります。
- 立ち下がり閾値(VUVLO_F): 標準値2.4V(VCC立ち下がり時)。VCC ≤ 2.4VでUVLOが動作し、チップがリセットされます。
- ヒステリシス電圧: 約100mV。これにより、閾値付近でのVCCの変動による頻繁なリセットを防ぎ、ノイズ耐性を向上させます。
2. 故障時の応答と状態制御
- VCC < 2.4V(低電圧状態):
- UVLOはロジックモジュールにリセット信号を送信し、チップをリセットモードにします。
- GATEピンは強制的にローレベルになり、外部MOSFET(Q1)が完全にオフになり、負荷への電源供給が遮断されます。
- TIMERコンデンサが放電し、すべてのタイミング/保護ロジックがリセットされます。
- ONピンが条件を満たしていても、ソフトスタートは開始できません。
- VCC ≥ 2.5V(正常状態):
- UVLOはリセットを解除し、チップは動作を再開します。
- 初期タイミング期間とソフトスタートは、ONピン電圧が1.3V以上の場合にのみ開始されます。
3. グリッチフィルタ
UVLOモジュールの後段にはグリッチフィルタ(標準値30μs)が組み込まれています。
- VCCが一時的に2.4Vを下回っても、30μs未満であればUVLOはリセットを動作させません。
- 低電圧状態が30μs以上継続した場合のみ真の低電圧異常と判定され、 シャットダウンが実行されます。これにより、電源バス上の過渡的なグリッチによる干渉を効果的に除去できます。
アプリケーション回路の実際の動作との対応
提示された5Vホットスワップ回路では、以下のようになります。
- 電源投入時: VINは0Vから5Vまで上昇します。コントローラは、VCCが2.5Vを超え、ONピンがハイレベルにプルアップされた後にのみ初期タイミングを開始します。これにより、MOSFETが低電圧で半導通状態になり過熱するのを防ぎます。
- 電源変動時: バックプレーン電源が一時的に2.3Vまで低下しても、その継続時間が20μs以下であれば、UVLOフィルタはこの過渡現象を無視し、システムは動作を継続します。低下が40μs以上続く場合、UVLOは負荷を保護するためにシャットダウンをトリガします。
- 電源遮断時: VINが低下した場合、VCCが2.4Vまで低下すると、UVLOは直ちにMOSFETをシャットダウンし、低電圧下での負荷の異常動作を防ぎます。
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