INA228 電流が期待どおりに読み取れません

INA228 - 電流レジスタ値を読み取っているのですが、結果が間違っています。なぜ期待した値が読み取れないのでしょうか?

TIの回答
結果が期待どおりにならない理由は、さまざまなものが考えられます。以下のデバッグ手順を試す前に、測定値が許容誤差の範囲内か確認することをお勧めします。以下に、想定されるシステム誤差を評価するのに役立つ誤差計算ツールのリンクを示します。

誤差計算ツール:CS-AMPLIFIER-ERROR-TOOL 計算ツール | TI.com

システムが、測定しようとしている電流を適切に計測できる設定になっていない場合には、以下のデジタル電力モニタ入門や、用途に適したシャント抵抗の選定に役立つアプリケーションノートおよびExcelツールをご利用ください。

アプリケーションノート:Getting Started with Digital Power Monitors (Rev. A)

計算ツール:SBOR021 Calculation tool | TI.com

以下は、電流の結果が期待どおりでない理由をデバッグするための手順と、その原因となり得る一般的な問題点です。

まず、INA本体に到達する前に電圧が変化していないことを確認してください。

これを行うには、デバイスのピンのできるだけ近くで差動電圧を測定し、期待される値と比較してください。

この電圧が期待した値と異なる場合、それは電圧がデバイスに到達する前に変化していることを意味します。以下に、その一般的な原因を示します。

  • シャント抵抗の許容誤差:
    • シャント抵抗の誤差やばらつきが想定以上に大きく、抵抗両端の電圧降下が期待した値になっていない可能性があります。
    • シャント抵抗の両端の電圧降下を直接測定することで、それが期待した値かどうかを確認できます。
  • レイアウトの問題:
    • シャントのセンス配線は、ケルビン接続でシャント抵抗のパッドへ接続してください。
    • センス配線のルーティングが、比較的バランスの取れたものになっていることを確認してください。
    • 大電流をセンス配線経路に通さないでください。
    • グランドピンからシステムグランドへの経路が良好であることを確認してください。
  • 入力フィルタの誤差:
    • 入力フィルタの抵抗がデータシートの推奨値の範囲内にあり、抵抗が比較的バランスしていることを確認してください。
  • 入力サージ電流:
    • 非常に小さな電流を測定する場合、IN+およびIN-のサージ電流によって、想定以上の誤差が生じることがあります。これを改善するため、IN+とIN-の間に小容量コンデンサ(約1nF~10nF)を追加してください。このコンデンサは、デバイスのできるだけ近くに配置してください。
  • その他の誤差要因:

IN+とIN-間の値が期待した値である場合は、以下の手順に従って問題を見つけてください。

  1. まず、デバイスとの通信が正常に行われていることを確認してください。既知のレジスタ(Device_IDやManufacturer_IDなど)を読み取って確認してください。通信に問題がある場合は、以下のE2E FAQを参照してください。

    1. I2Cデバイスの場合: [FAQ] INA238: Troubleshooting I2C Communication Failures (NACK) in TI Current Sense Power Monitors - Amplifiers forum - Amplifiers - TI E2E support forums
    2. SPIデバイスの場合: [FAQ] INA229: Registers are reading incorrectly - Amplifiers forum - Amplifiers - TI E2E support forums
  2. 測定されたシャント値を、シャント電圧レジスタ(電流レジスタではありません)から読み取った値と比較してください。

    1. 期待通りの値であれば、手順3に進んでください。
    2. もし期待した値と違う場合は、以下のような一般的な理由が考えられます。
      1. INAが負荷と同じグランドを使用していない。
      2. ADCRANGEに応じて変化する正しいLSB値を使用していない。
      3. 変換が有効になっていない。
      4. コードエラーをチェックしてください。
        1. 2の補数を適切に扱っていることを確認してください。負の値を想定していなくても、0に近い値を測定する場合には、ノイズなどによりわずかに負の値になることがあります。その場合、値が小さな負の値ではなく、非常に大きな正の値として見えることがあります。
        2. コード作成を支援するツールとして、SysConfigを利用できます。SysConfigは、希望する設定に基づいてCコードを生成し、レジスタデータの解析に便利な関数も提供します。ログインリンクを以下に示します。利用にはTIへの登録が必要です。 Login Link
  3. ここまで来て、まだ電流読み取り値が期待通りでない場合は、以下のような一般的な問題が考えられます。

    1. キャリブレーションレジスタ(SHUNT_CAL):
      1. キャリブレーションレジスタの計算が正しいことを確認してください。なお、この値の計算は、選択したADCRANGEに加え、シャント抵抗および選択した電流のLSB値にも依存することに注意してください。
      2. SHUNT_CALとして計算した値が、レジスタサイズ内に収まっていることを確認してください。収まらない場合は、シャント抵抗値、または最大想定電流(およびそれに対応するCURRENT_LSB)を変更する必要があります。
    2. DIAG_ALRT内のエラーフラグを確認してください。
      1. ATHOF:MATHOFが発生している場合、結果は通常期待どおりになりません。例えば、結果が0になったり、最大レジスタ値を示したりすることがあります。MATHOFエラーの一般的な原因は、SHUNT_CALレジスタの計算時に使用した電流値よりも高い電流がVSHUNTで測定された場合です。その電流レベルが再び発生する可能性がある場合は、新しい最大想定電流に基づいてSHUNT_CAL値を再計算してください。
      2. MEMSTAT:このフラグが立っている場合、デバイスに問題があります。その場合、故障解析のためにTIへ返却する必要があります。この手続きは、部品の購入元経由で行う必要があります。参考となるリソースを以下に示します。
        1. 故障解析について:故障解析 | TI.com
        2. 返品について: お客様からの返却 | TI.com
    3. コードエラーを確認してください。
      1. 上記項目2.2.4をご参照ください。

注:これらのデバッグ手順は電流測定のためのものですが、バス電圧測定のデバッ グにも同様のプロセスを使用できます。

追加情報はOriginal TI Supprot Forumをご覧ください。




オリジナル・ソース(English)