プリント基板(PCB)に初めて触れる方でしょうか?これらの複雑な基板に記載されているマーキングが何を意味しているか、疑問に思ったことはありませんか?これらの表示は、基板上の部品を識別するためのものなのでしょうか?
本記事では、基板設計プロセスの一部と、基板上の部品を識別する方法について解説します。回路基板上に表示されているさまざまなアルファベットに馴染みがない場合は、事前にフォーラム投稿を参照してください。本記事では、そこで紹介されているマーキングを前提として説明を進めます。
参照指定子
完成したプリント基板の設計には、通常、多数の小さなマーキングが表示されています。最も一般的には、「シルクスクリーン」と呼ばれるレイヤに印刷されています。上記の投稿で見たように、その中でも特によく見られるのが、参照指定子です。参照指定子は、Altium、KiCad、Eagleなどの多くのPCB設計ソフトウェアによって、通常は連番で自動生成されます。すべてのメーカーが「1」から番号を振り始めるわけではなく、部品ごとにより固有性の高いIDを与えるため、別の番号から開始することもあります。たとえば、「100」から設計ファイルを始める場合もあります。また、番号のフォーマットに文字を含めるメーカーもあります。基板全体で番号を連続的に増やし、部品の種類ごとに番号をリセットしない方式も考えられますが、これは一般的ではありません。重要なのは、先頭の文字です。これにより、その参照指定子がどの種類の部品を示しているかを推測することができます。
参照指定子は部品そのものを示しているのか?
基板上のマーキングと、部品本体に刻印されている表示を混同してしまうことがあります。しかし、基板上の参照指定子は、部品そのものを直接定義するためのものではありません。参照指定子は、設計において部品が配置された順序を示すものです。参照指定子は、部品表(Bill of Materials:BOM)と対応付けられることを前提としています。部品表とは、設計に使用されているすべての部品を一覧にしたものです。具体例を用いて、この関係を見てみましょう。
Texas Instruments TIDA-010239 の例
ベンダーの中で、一般公開されている基板設計があるかどうか確認したところ、Texas Instruments が「ACレベル2充電器プラットフォーム」というオープン設計の製品を製造していました。まず、 アセンブリ図面を見てみましょう。ここには、関連するすべての部品と、その参照指定子が示されています。各部品は、実際の基板上での位置とほぼ同じ場所に描かれています。以下は、基板表面右上に配置された部品群の一部です。
J15、U20、C114、およびF4といった参照指定子を特定するには、 部品表(BOM)を参照します。部品表の左端の列には参照指定子が並び、対応する部品の品番は別の列に記載されています。CTRL+Fを使って参照指定子を検索すれば、目的の部品をすばやく見つけることができます。
J15の識別
J15は、設計ファイル内で15番目に配置されたコネクタ(ジャック)です。部品表の3ページ目に記載されており、Wurth製でメーカー品番は 691101710002 です。DigiKey品番は 732-2026-ND です。
U20の識別
U20は、設計ファイル内で20番目に配置された集積回路(IC)です。部品表の7ページ目にあり、メーカー品番は DRV8220DSG 、DigiKey品番は 296-DRV8220DSGRCT-ND です。
C114の識別
C114は、設計ファイル内で114番目に配置されたコンデンサです。部品表の2ページ目に記載されています。この部品が複数の参照指定子とまとめて記載されている場合、それらはすべて同一品番の部品であることを意味します。メーカー品番は CC1210KKX7R8BB226 、DigiKey品番は 13-CC1210KKX7R8BB226CT-ND です。
F4の識別
F4は、設計ファイル内で4番目に配置されたヒューズです。部品表の1ページ目に記載されており、メーカー品番は 044001.5WR 、DigiKey品番は F1611CT-ND です。
なお、一部の部品には、参照指定子の末尾に「_P」が付いている場合があります。これは、設計上の部品数を増やさずにラベルを短くするため、メーカー側で追加されたものと考えられます。
公開されていない基板における課題
前述のようなオープンデザインの基板では、どの部品が何であるかを比較的容易に特定できます。しかし、実際の製品基板の多くは、設計が専有情報であるため、部品表が公開されていません。部品表がない場合、参照指定子から分かるのは、部品の配置順と大まかな種類だけです。シルクスクリーン上に部品の品番そのものが印刷されることは、スペースの制約からほとんどありません。基板の実装密度が非常に高い場合には、参照指定子そのものを省略せざるを得ないこともあります。単一リビジョンの基板であれば、マーキングは基本的に同じですが、新しいリビジョンでは部品の追加や削除により変更される可能性があります。以下は、このようなマーキングが欠落している場合に部品を特定するための一般的なヒントです。
- 部品本体に刻印されているマーキングを探してください。これは、その部品を直接特定するのに役立つ場合があります。
- 周囲の部品とそのサイズを見てください。近くにトランスや大型のコンデンサがある場合、おそらく回路全体の電源部をご覧になっている可能性が高いです。
- 可能であれば部品表を入手してください。通常、入手することは困難です。
- 可能であれば、マルチメータを使って部品を測定してみてください。
- フォーラムで該当する基板や部品について質問がないかご確認ください。
- 一部の基板には、シルク印刷で外形の輪郭が印刷されている場合があります。これらは集積回路やその他の部品のサイズを把握するのに役立つことがあります。
プリント基板について、他にもご質問がありましたら、ぜひお知らせください。
