初心者のためのArduino Opta PLCとの出力接続ガイド

APDahlen Applications Engineer

この記事は、Arduinoファミリのマイクロコントローラに精通していて、産業制御システム分野を探求したいと思っている人々のために書かれています。この短い記事では、Arduino Optaプログラマブルロジックコントローラ(PLC)を接続し、実際のデバイスを制御する方法を探ります。

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産業用制御に携わったことのない読者は、私たちの行動がいかに重大なものであるかを認識する必要があります。一歩間違えば、コスト、生産時間、機器の損傷、火災、あるいは人を傷つける可能性があります。

機械や高電圧システムを含むすべての作業の出発点として、いくつかの重要な規定があります。

  • 仕事を遂行する資格があること。

  • 電気的、機械的、もつれ、化学的、熱、流体噴射、火災に限らず、あらゆる産業用制御に関連するリスクを理解していること。

  • 装置の非標準的な改造や操作について、上司に報告すること。

  • 作業の前に、監督者、その他重要な関係者と共に、リスクアセスメントと安全性の分析を実施すること。

  • ロックアウトタグアウト(LOTO)の適切なプロセスを実施していること。

  • 適用されるすべての雇用主、政府及び関係自治体のガイドラインに従っていること。

Arduino Optaはおもちゃではないため、この厳しい警告から始めます。Arduino Optaは、産業環境に存在し、機能することを想定して設計されています。人を傷つける可能性のある大型機械を制御することも十分にあり得ます。同様に、危険な高圧3相電源の近くの筐体に設置し、大型モータスターターを制御することもあります。

とはいえ、まずはDC24Vのシステムでゆっくりと安全に始めましょう。その後、経験を積み、指導者と一緒に仕事をするようになれば、高電圧システムに移行することができます。この記事では、電気的リスクを軽減することに焦点を当てます。おそらく別の記事で、機械の状態の概念と、身体的危害につながる可能性のある予期せぬ動作を防ぐ必要性を探ることができます。

技術ヒント:制御盤の配線の色分けは、慣れていない初心者にもその配線が何であるかを分かるようにしています。基準に従ってDC24Vには青線を使用し、DC24Vのリターンには白と青のストライプの配線を使用することをお勧めします。この基準は、設備全体の一貫性を保証します。この配線の「言語(色分け)」は、将来の修理時間を短縮する可能性があります。

Opta PLC出力の物理的説明

Arduino Opta PLCは、合計4つのリレーベース出力を備えています。データシートによると、各リレーは250V ACで10Aの出力が可能です。初心者の方には、この設計上の最大仕様に近づかないことをお勧めします。それよりむしろ、24V DCで1A以下の余裕のある出力を推奨します。さらなる電流や電圧が必要な場合は、インターポージングリレー(中継リレー)の使用を検討してください。繰り返しますが、これは初心者向けのビギナーズガイドです。Optaにできるからといって、そうすべきとは限りません。システム構築の経験を積むまでは、Optaを慎重に扱ってください。

技術ヒント:インターポージングリレーは、中間に位置する制御リレーです。PLCと大型コンタクタの間に設置します。たとえば、PLCを使用して大型の3相モータを制御するとします。さらに、モータスターターに120V ACコイルがあるとします。PLCは、インターポージングリレーの24V DCコイルを駆動するように配線されます。そして、このインターポージングリレーの接点を使用して、モータスターターの120V ACコイルに電力を供給します。この構成により、PLCの能力が向上します。また、配線を分離することで、安全機能としても機能します。インターポージングリレーは、24V DCの制御信号を120V ACの配線から遠ざけます。

24V DCを特長とする安全回路

喜ばしいことに、24V DCシステムは一般的であり、多くの互換性のあるコンポーネントから選択できます。これには、空気圧アクチュエータ、パネルランプ、多数の制御リレー、大負荷に電力を供給するコンタクタなどのコンポーネントが含まれます。安全で費用対効果の高い、標準化された工業用コンポーネントを試すことになるので、初心者には朗報です。

この回路図は、Arduino Optaをさまざまな24V DC負荷に接続する1つの方法を示しています。5Aのサーキットブレーカで保護されていることを確認して下さい。このタイプのブレーカは一般的に高電圧のAC回路に使用されますが、低電圧のDC動作にも対応しています。このサーキットブレーカは、選択した直流電源の性質によって必要な場合と不必要な場合があることを知っておいてください。電源の中には過電流保護を特長とするものもあれば、ヒューズ保護を特長とするものもあります。保護機能がないものもあり、配線ミスをすると破損します。

この回路図の次の注目点は、出力リレーのデイジーチェーン接続で、PLCピン1、3、5、7に24V DCが供給されています。そして、各負荷の反対側が24V DCのリターンに接続されている状態で、さまざまな負荷にピン2、4、6、または8から電力を供給できます。業界ではこれを「ソーシング(電流吐き出し)構成」と呼んでいます。この設定では、PLCが正電圧の供給源となります。

Arduino Opta PLCを使った具体的な24V DCアプリケーションについて、また別の機会にさらに掘り下げます。しかし、この記事を読めば、一般的な産業用コンポーネントを使った確かな基礎が身につくはずです。

おわりに

産業機器に関連する安全面については、まだ話し始めたばかりですので、開発プロセスを通じてガイドしてくれる指導者を見つけてください。

産業オートメーションの安全性について詳しく知りたい場合は、セーフティインターロック、緊急停止、セーフティリレー、ライトカーテン、SIL(Safety Integrity Levels:安全度水準)などの主要な用語について調べることから始めるとよいでしょう。

最後に、産業用制御システムを構築する際には、まず自動化 & 制御のページをご覧いただき、DigiKeyの製品をご検討ください。このページには、製品を紹介する一連の写真が掲載されており、目的の部品をすばやく見つけることができます。一例として、産業用照明の電球のアイコンをたどると、パネルインジケータを見つけることができます。そこから、最適な緑色のパネルランプやDC24Vで動作するリレーを見つけるまで、コンポーネントを下方向に選択することができます。

産業用制御システムの設計、構築、トラブルシューティング、修理など、皆様からのご連絡をお待ちしております。皆様のフィードバックは、当社と読者にとって非常に貴重です。この記事に関するご意見、ご質問は、このページまたはDigiKeyの TechForumのページに戻ってお寄せください。

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成功を祈ります。

APDahlen

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