Arduino Plug and Makeの紹介


APDahlen Applications Engineer

Arduino Plug and Make Kitとは何でしょうか?

Arduino Plug and Make Kitには、最新のArduino UNO R4 WiFiと、一般的に「Modulinoボード」として知られている7つの小型拡張ボードが含まれています。これらを組み合わせることで、学生はプログラミングを学習し、一般的なマイクロコントローラのセンサやアクチュエータを簡単に統合できる統合学習プラットフォームを構築できます。

Plug and Make kitの一部を図1に示します。ベース(キットに同梱)には、UNOとModulinoモジュールの7種類のうち4種類が取り付けられています。すべてのコンポーネントは、Qwiicコネクタのデイジーチェーン接続により電気的に接続されています。電源はUSB Cコネクタから供給されます。デバイスは、UNOのバレルコネクタ(DCジャック)を介してバッテリで動作させることもできます。

このよくある質問(FAQ)は、Arduino Plug and Make Kitと従来のブレッドボードベースのArduinoキットを比較している教育者および学生向けに書かれています。

図1: 7つのModulinoブレイクアウトボードのうち4つを取り付けたArduino Plug and Make Kitの写真。Arduino UNO R4 WiFiマイクロコントローラが奥に見えます。

Arduino Plug and Make Kitは、従来のブレッドボードベースのキットと比べてどのような利点がありますか?

Plug and Makeキットには、以下の3つの明確な利点があります。

  • ブレッドボード不要の設計

  • シームレスに接続された電気および機構アセンブリ

  • すべてのModulinoモジュールが共通のクラス構造を介してアクセスされる、センサとアクチュエータの一貫した統合。これにより、個別のセンサにアクセスするために必要なモジュール特有の複雑なコードが不要になります。

これらの特徴を総合すると、プログラミング中心の教育に重点が置かれていることが分かります。ブレッドボード作製の複雑さが伴う従来のArduinoブレッドボードキットを使用しないので、学生はセンサの統合に集中することができます。このチュートリアルで紹介するPlug and Makeメトロノームが良い例です。ハードウェアの組み立てには数分しかかかりません。しかし、ブロッキング関数に起因するリアルタイム処理の制約から、Modulino I2C通信プロトコルのリバースエンジニアリングまで、習得すべきプログラミングのレベルは数多くあります。

ブレッドボード不要のPlug and Make Kitは、プログラミングとマイクロコントローラの応用に重点を置いたカリキュラムに最適です。 ハードウェアや関連するトラブルシューティングを避けることで、かなりの時間を節約できます。 また、センサの一貫した統合を過小評価しないでください。
一方、ブレッドボードを使用したカリキュラムが学生にとって最適な場合もあります。 回路の作成やデータシートの読み込みに時間をかけることは、学生の成長に必要かもしれません。

英語のことわざに「Horses for Courses(目的に適した選択)」という言葉があります。ニーズに最適な製品を選択する必要があり、お客様の製品の市場投入時間を短縮するためには、Arduino Plug and Makeかもしれませんし、従来のArduinoキット、あるいはArduino Proラインの製品かもしれません。

コメント欄に、ご意見やご提案をお寄せください。例えば、どのような条件であれば、どちらのキットを選びますか?

Modulinoボードの特徴は何でしょうか?

Plug and Make Kitは、一貫性と使いやすさを重視したシステムとして設計されており、これはハードウェアの設計だけでなく、ソフトウェアのインターフェースにも反映されています。

Modulinoはフットプリントが同一で、図1に示すように、ベースに簡単に物理的に接続することができます。 また、デイジーチェーン接続されたQwiicインターフェースを介して、共通のハードウェアインターフェースを共有しています。 さらに詳しく見てみると、各Modulinoには、Modulino Buzzerの左下隅に示されているように、小型のSTMicroelectronicsの32ビットARMマイクロコントローラが搭載されています(図2)。この ARMマイクロコントローラは、UNOとModulinoに搭載されたハードウェア間の通信インターフェースを標準化する役割を果たします。これにより、共通の物理的仕様、共通の通信プロトコル、およびArduino IDE 内の標準ソフトウェア環境が実現します。

図2: Arduino Modulino Buzzerモジュールの写真。基板の中央には、Murataの大型面実装ブザーが搭載されています。左下には、STMの小型32ビッARMマイクロコントローラが見えます。

技術的なヒント: DigiKeyのQwiic対応拡張ボードの幅広いファミリを使用して、Plug and Make Kitを拡張することができます。これらの製品は、物理的、電気的、およびソフトウェアの観点から統合するのに一般的により多くの時間と労力がかかることに注意してください。その軽減措置として、オープンソースコミュニティは、これらのデバイスに対して多大なサポートを継続的に提供しています。通常、Arduinoと互換性のある「ドライバ」のコードやチュートリアルを見つけることができます。

Arduino Plug and Make Kitには何が含まれていますか?

図1に、ベース、UNO R4、およびいくつかのModulinoモジュールを含む、多くのキットのコンポーネントが示されています。キットの全ては、以下の通りです。

  • ベース
  • Arduino R4 WiFi
  • 「A」タイプアダプタ付きのUSB-Cタイプケーブル
  • UNOとModulinoモジュールを取り付けるためのハードウェア
  • Modulinoを接続するためのQwiicケーブル
  • Modulinoモジュール:
    • Knob(ツマミ) 押ボタン付きロータリエンコーダ
    • Pixels (ピクセル) GBの輝度を個別に調整できる8つの3色LED
    • Distance(距離) ToF(Time-of-Flight)近接センサ
    • Movement (動き) 6軸IMU(慣性測定ユニット)
    • Buzzer (ブザー) 圧電ブザー
    • Thermo (温湿度) 低い熱質量を特長とする温度と湿度の測定
    • Buttons (ボタン) 3つのボタンと3つのユーザー制御LED

Modulinoモジュールについて、どこで詳しく知ることができますか?

DigiKeyはModulinoモジュールのチュートリアルを以下のようにいくつか作成しています。これには、ユニットの簡単な説明とハードウェアの紹介が含まれます。

DigiKeyは、Plug and Make Kitを使用したデモプロジェクトも実施しています。

Arduino UNO R4に特化した記事が以下のようにいくつか書かれています。

Arduinoに関するさまざまなチュートリアルを説明しているインデックスページにも興味があるかもしれません。

おわりに

この記事では、より高度な教育に重点を置いて、Arduino Plug and Make Kitについて概要を説明しています。家庭や教室での使用に適した開発キットを選ぶ際、何か参考になることがあるかと思います。「Horses for Courses」という表現は、プログラミングやマイクロコントローラの世界には独自のエントリポイントが数多く存在するという状況をうまく言い表しています。Arduino Plug and Makeは、まさにあなたが探しているものかもしれません。従来のArduinoキットや、Optaプログラマブルロジックコントローラ(PLC)を含むArduino Proラインも検討してみてください。

このFAQは現在作成中です。ご質問は、以下のコメント欄にご記入ください。

ご健闘をお祈りします。

APDahlen

著者について

Aaron Dahlen氏、LCDR USCG(退役)は、DigiKeyでアプリケーションエンジニアを務めています。彼は、技術者およびエンジニアとしての27年間の軍役を通じて構築されたユニークなエレクトロニクスおよびオートメーションのベースを持っており、これは12年間教壇に立ったことによってさらに強化されました(経験と知識の融合)。ミネソタ州立大学Mankato校でMSEEの学位を取得したDahlen氏は、ABET認定EEプログラムで教鞭をとり、EETプログラムのプログラムコーディネーターを務め、軍の電子技術者にコンポーネントレベルの修理を教えてきました。彼はミネソタ州北部の自宅に戻り、このような記事のリサーチや執筆を楽しんでいます。




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