組み込みシステムにおいて、タイマは極めて重要な周辺モジュールです。正確な時間遅延を可能にするだけでなく、パルス幅変調(PWM)信号を生成し、外部イベントをキャプチャし、周期的なタスクを実行します。
以前の記事、「マイクロコントローラのタイマの基礎知識:入門ガイド」おいて、タイマの基礎について解説しました。この記事では、例としてAVRマイクロコントローラを使用して、TCAタイマモジュールについて説明します。
1. タイマの基本概念
復習:タイマは、時間制御のためにクロックパルスや外部信号をカウントするように設計されたハードウェアモジュールです。ソフトウェアベースの時間遅延とは異なり、ハードウェアタイマはより高い精度とより軽いCPU負荷を提供します。
2. TCAタイマモードの概要
例としてAVR®マイクロコントローラを使用して、主要なタイマモードを紹介します。
TCAタイマモード
TCAタイマは、PWM信号を生成するために最適化されたタイマで、以下のようなデバイスで使用できます。
図1:TCAタイマの機能ブロック図
モジュールは、高分解能出力のために16ビットモードで動作することもできるし、2つの独立した8ビットモードに分割することもできます。タイマはTOP値に達するまで連続的に動作します。TOPでは BOTTOM(ゼロ)にリセットされますが、デュアルスロープモードではその代わりにゼロまでカウントダウンします。
図2:TCAタイマの動作モード
PWM信号を生成するために、TCAはチャンネルコンパレータを使用してタイマ値が設定値と一致するか、または設定値を超えるかどうかをチェックします。その場合、対応する出力がHighになります。タイマはダブルバッファリングもサポートしており、書き込まれた値はデバイスが更新トリガ(モード依存)を受け取るまで保存されます。イベントシステム(EVSYS)により高度な制御が可能で、入力のゲート処理、イベントエッジのカウント、カウント方向(アップ/ダウン)の制御、および、さまざまな条件下でのタイマの再スタートが可能です。
タイマモジュールの詳細については、次の記事を参照してください。
AVRマイクロコントローラのタイマTCDモードの紹介
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