マルチプレクサDG408DJ-E3の不具合相談

通常マルチプレクサのオフ抵抗は、ほかのスイッチと意図せずに導通しないために、テスターで測定したときに数十MΩが出るのが正常である。
しかし、今回私が測定した場合はオフ抵抗の値が16kΩ検出された。その際の各チャンネルに印加した電圧は以下の通りである。
マルチプレクサDG408-E3にシグナル電源で、1番(A0)に0V(Low)、2番(EN)に5V、3番(V-)に0V、13番(5V)、14番(GND)に0V、15番(A1)に0V(Low)、16番(A2)に0V(Low)を入力した。A0,A1,A2は組み合わせを変更して1~8番電極まで組み合わせを変更した。
オフ抵抗を測定する際のテスターのプラスとマイナスは以下のとおりである。
マイナスを8番(D)で、プラスが導通していないスイッチの場所で測定した。
どなたかわかる方いましたら教えていただきたいです

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@pso2playazinomoto
Vishay SiliconixのIC MUX 8:1 100OHM 16DIP, DG408DJ-E3 のオフ抵抗をテスターで測定した時、数十MΩが出るのが正常であるのに対して、
16kΩと低い抵抗値を示しているので、問題ではないか、
とおたずね頂いています。

電子スイッチのオフ抵抗をテスターで測定した場合は、
いろいろな条件で、ばらつきが出る場合もあると思いますが、
もう少し状況をお知らせいただけませんでしょうか。

素子には電圧がかかっています。
そこに、S端子にテスターの端子を当てると、
そこにも電圧がかかり、何かしらの作用をする可能性があります。

オフ抵抗値をテスターで測定するのは、適切とは思えません。
またオフ抵抗値の規定はありません。
オン抵抗値でも同じです。

仕様には、オン抵抗値の規定はありますが、
測定法はなく、設計での保証となっています。

1.数十MΩという値は、どういう値でしょうか。
かってご購入された同製品で測定された結果でしょうか。

2.16kΩは、どのスイッチの測定結果も同じでしょうか。
複数個ご購入の場合は、すべて同じでしょうか。

3.A0, A1, A2の組み合わせをされて、オン動作は正常でしょうか。
その場合、オフ抵抗が大きいことによりどのような不具合を予測されていますか。

4.ご検討中の正しい品番は、DG408DJ-E3 でよろしいでしょうか。

状況によりメーカーに伝えて対応を検討させていただきます。

よろしくお願いいたします。

解答いただきありがとうございます。
簡潔に状況を伝えさせていただきます。

1.数十MΩですが、特にこれといって決まった値というわけではなく、絶縁状態にあるということを確認したかったため提示した値になります。

2.1年ほど前に購入した製品と2か月ほど前に購入した製品ともに同じ結果が得られました。

3.スイッチのオン動作は正常に働いています。オン状態にあるスイッチとソース間の抵抗をテスタで測ったところ100Ω程度の抵抗を測定できました。

4.品番はDG408DJ-E3で間違いありません。

参考までに測定に使用したテスタを下記に示します。

Keysight Technologies LCRメータ, U1733C 100kHz | RS

MR-4060 デジタルカードテスター 1台 モノタロウ 【通販モノタロウ】

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回答ありがとうございます。
簡潔に現在の状況を伝えさせていただきます。

1.数十MΩと記載しましたが、この値にこれといった理由はなく絶縁状態にあるということを確かめるために数十MΩという言葉を用いました。

2.1年前に購入したものと2か月前に購入したものはどちらも同じような抵抗値が測定できました。(16kΩ)

3.A0,A1,A2をそれぞれ変化させて8通りの組み合わせのスイッチを試しましたが、どの組み合わせのオン抵抗は100Ω程でオン動作は正常かと思われます。

4.品番はDG408DJ-E3で間違いありません。

参考までに測定に使用したテスターを下記に示します。

Keysight Technologies LCRメータ, U1733C 100kHz | RS

MR-4060 デジタルカードテスター 1台 モノタロウ 【通販モノタロウ】

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@pso2playazinomoto

思い当たる原因をご連絡します。

今回、スイッチICが破損していない前提で考えれば、以下の動作条件が守られていない可能性があります。

(動作条件)

スイッチICの入出力端子の電圧範囲:0V~5V(GNDが、V+が5Vの場合)

(注意事項)

リーク電流(最大):±20nA

まず、ご質問の条件を拝見しますと、テスタの赤、黒のリード棒が、それぞれSn端子、D端子に接続されており、ICのGND、V+端子のどちらにも接続されていないように見受けられます。

ICの入出力端子のインピーダンスは100MΩ以上であるので、フローティング状態になっており、この場合、GNDに対する入出力端子の電圧は不定になります。

その場合、実際には入出力端子のGNDに対する電圧は周囲の環境からの電磁誘導によって決まります。

もし、お客様が、AC100Vが配線されている室内で実験されておられ、たとえばテスタ棒の金属部分に指が触っていたら、AC100Vの誘導により、かなり大きな50/60Hzの電圧が、スイッチICの入出力端子に加わっていると思われます。それによってICが誤動作をしている可能性があります。

まず、マルチメータの黒リード棒(-端子)をICのGNDに接続して再測定していただくことをお勧めします。

なお、不要だと思いますが、我々がお客様の状況を十分把握していない可能性があるため、念のために1kΩぐらいの抵抗を介してGNDに接続した方がいいかも知れません。

過去に絶縁状態を確認されたということであれば、測定環境に違いがあったかも知れません。一度上記の方法でご確認いただけませんでしょうか。

よろしくお願いします。

@pso2playazinomoto
16kΩという測定値が出たのは、入出力端子がフローティングになっていることによる電磁誘導、リーク電流、またはテスターの電圧などの影響と思われますが定かではありません。
前回入出力端子にバイアス電圧をかけて測定することをご提案しました。

しかし、電源が入っている回路に対してテスタを抵抗モードにして接続し測定することは、
間違えばテスタを破損する可能性があります。

データシートのFig.6、Fig.7にOFFアイソレーション、クロストークの測定方法が記載され
ていますので、こちらの方法でOFF抵抗値を推測することをおすすめします。
(データシートで、Off Isolationの値が、-75pF となっていますが、-75 dBの間違いと思われます。)

ご質問の趣旨は、「なぜ絶縁抵抗値を測定できないか。16kΩのような値になったか」という
ことではないか、と推測します。
これについては、本アナログスイッチの内容がデータシートからは細かいところはわかりません。
また、お客様の状況も厳密にはわかりません。

そのなかで、電磁誘導、リーク電流、またはテスターの電圧などの影響があるのではないかと
当方で色々と推測して検証しましたが、定性的にはあるかも知れないが、定量的には、なかなか実証できるまでには至りませんでした。

電磁誘導については、大きな電圧が入力に発生する可能性がありますが、抵抗値が測定できる時点では、収まると考えます。

リーク電流は値が小さく、直接16kΩの原因にはならないと思われます。

テスターの電圧については、高抵抗値を測定する場合は、テスターの電圧も大きくなると思われ、その電圧がFETを導通に近い状態にさせる可能性があります。
しかし、抵抗値が16kΩレベルのときは、テスターの電圧が下がり、FETを導通させる電圧には至りません。

当方の推測は以上です。

実際の特性としては、正常に動作しているとのことですので、製品には問題ないと思われます。

もし、実際のご使用で不具合等がございましたら、その内容をメーカーに報告し、適切な対応をさせていただきます。

十分なご回答ができず申し訳ございません。

よろしくお願いいたします。

返信が遅くなり申し訳ございません。回答ありがとうございます。
データシートの図6,7を拝見しました。再度測定する際には、この回路図通りに配線、設定をし入力電圧と出力電圧から絶縁抵抗値を計算しようと思います。
進捗が進みましたらまた報告させていただきます。

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