Nordic nRF9160による低消費電力セルラー

mike_golioth Verified Supplier Rep

セルラー向け商品を開発する場合、バッテリ駆動時間はしばしば検討議題の1つとなります。検討すべき項目はいくつかあります。ハードウェア設計そのもの、デバイス上のファームウェア、そしてクラウドとの通信(ここではソフトウェアと呼びます)です。この記事では、製品開発に取り組む際に留意すべき、それぞれの概要について説明します。

背景とハードウェア

この記事のアイデアは、 Nordic nRF9160 SIPをボード上に搭載したthe nRF9160 Featherの開発者であるJared Wolff氏との最近のウェビナーa recent webinar we did with Jared Wolffから生まれました。議論されたコンセプトは、nRF9160ベースのどのプロジェクトにも当てはまります(そして、その多くはセルラーIoT全般に当てはまります)。このトピックの詳細については、ウェビナーをご覧ください。

ハードウェア設計上の考慮点

低消費電力はハードウェア設計から始まります。これはnRF9160に限ったことではなく、バッテリを使用するすべてのボードに明らかに当てはまります。

  • ニーズと予算に合った最も効率的な電源レギュレータを選ぶようにしてください。これは特に静止電流とディープスリープ電流が重要です。Jaredは最近、動作静止電流60nA、シャットダウン電流20nAのTexas Instruments TPS62840を使用してnrf9160 Featherを再設計しました。
  • 設計にどれだけの受動素子を含めるかを慎重に検討してください。ショットキーダイオード、プルアップ抵抗、そして常時消費するものの使用は避けてください。1つの方法は、nRF9160がスリープモードの時に無効にできる内部プルアップ抵抗を利用することです。
  • マイクロコントローラが無効にできるような外部回路を設計してください。これによって、前項と同様、低消費電力モードに移行するとき、nRF9160はディープスリープモードに入り、シャットダウンします。

ファームウェア設計上の考慮点

nRF9160は、Zephyr RTOSをベースとするnRF Connect SDK (NCS)を使用しています。

  • Zephyrにはa Power Management (PM) APIがあります。これはnRF9160の低消費電力モードとスリープモードを制御します。
  • Zephyr PM APIには、センサやその他の周辺機器を対象としたデバイス管理機能もあります。特定の周辺機器のZephyrドライバをチェックして、PM APIが実装されているかどうかを確認してください。
  • 無線機の 「オン」時間は、圧倒的に大きな電力を消費します。ファームウェアを最適化し、無線をできる限り早く、頻繁に使用しないようにしましょう。デバイスがセルタワーに接続する時間と周波数を管理するExtended Discontinuous Reception (EDRX) and Power Saving Mode (PSM)のセルラーモードを調べてください。

ソフトウェア設計上の考慮点

これは、セルラー接続の「クラウド」側のキャッチオールカテゴリです。前述のように、無線の「オン」時間はバッテリ駆動のアプリケーションにとって大きな電流消費となります。クラウド側でデバイス管理を賢く選択することで、送信されるパケットを減らし、バッテリ寿命とセル帯域幅の両方のコストを節約するのに役立ちます。

  • 最初の機能として、Over-the-Airファームウェア(Over-the-Air firmware updates)のアップデートを実行します。これは省電力のためとは思われないかも知れませんが、アプリケーションがスリープモードを妨げるバグに遭遇したとき、ファームウェアをリモートで更新する機能により、OTA(Over-the-Air)は強力な電源管理ツールになります。
  • 可能な限り少ないパケットの通信プロトコルを選択してください。私はデバイス管理プラットフォームのGoliothで働いています。GoliothはConstrained Application Proctol (CoAP)を使っています。CoAPはUDPベースであり、ほとんどの場合、MQTT(TCPベース)と比較してより効率的な転送プロトコルです。
  • 送信するすべてのビットを有効に活用してください。Goliothはネットワーク上に送信データをシリアルで送出するために、Concise Binary Object Representation (CBOR)を使用します。CBORは、データ転送にJSONを使用するよりもはるかに効率的です。このような削減効果は、デバイスの耐用年数(そして規模)に関して累積されていきます。

まとめ

チップベンダーが低電力チップの限界に挑み続ける中、バッテリを交換することなく何年も動作するデバイスを設計することは非常に容易になってきています。電力制約を念頭に置いて製品設計を行い、真に成功する製品開発を行うために、明白なもの(シリコン内の低消費電力モード)、直感的でないもの(EDRXのようなセルラーモード)、そしてこれらに関連するもの(OTAアップデート)を活用してください。




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