絶縁体(ジャケット)のサイズによる圧着不良

絶縁体の直径に関連して圧着の問題が発生することはよく知られています。正しいワイヤゲージを使用しているにもかかわらず、約25%の確率でコンタクトがうまく圧着できないものがあります。よく無視される仕様として、絶縁体直径があります。「ワイヤゲージ」という用語は、絶縁体直径とは関係ありません。ワイヤゲージとは、ワイヤの中心導電体の直径の測定値です。AWG(American Wire Gauge)またはmm²の単位で示されることが多くあります。残念ながら、同じワイヤゲージでも、ワイヤの絶縁体のサイズや厚さが異なる会社がいくつかあります(同じメーカーでも、いくつかのサイズを作っている場合もあります)。ここでは、12のメーカーの22AWGの単線ケーブルをリストアップし、ジャケット径とジャケットの厚さにどれだけのバリエーションがあるかを例示します:
https://www.digikey.jp/short/h28hwfrw「ジャケット(絶縁体)直径」の欄を見ると、1.04mmから5.84mmの大きさです。これは、対応する直径の範囲が大きすぎます。金属製のコンタクトは一定範囲のサイズしか圧着できず、ある直径以下、または以上では上手く圧着できないという限界がでてきます。分かりやすくするために、具体的な品番で製品の物理的な例を見てみましょう。

誰かが特にこのハウジング(https://www.digikey.jp/product-detail/ja/molex/0510350600/WM17799-ND/3262406)を購入し、22AWGのワイヤが必要だったとします。関連する圧着コンタクトの1つはWM3312CT-NDです。幸運なことに、この特定の圧着端子には、最小および最大の絶縁サイズを示す図面があります。
(図面へのリンクはこちら:https://www.molex.com/pdm_docs/sd/500988000_sd.pdf
これは、絶縁体直径の情報を示す拡大写真です。

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この資料では、mmを基準にしています。

残念なことに、すべての圧着コンタクトの図面や技術資料にこのような範囲が記載されているわけではありません。メーカーは、すべての製品で同じ情報を統一していないことがあります。「最大絶縁体直径」だけが記載されていて、最小絶縁体直径の記載がない例を多く見ました。 しかし、Molex社が提供するガイドでは、7ページ目に一般的な注意事項が記載されています。https://www.digikey.at/htmldatasheets/production/155419/3/5/1/0011010168.html、圧着は小さいストレインリリーフ(絶縁圧着部)の場合は少なくとも50%をしっかりと掴むべきだとしています。これは、いくつかの圧着コンタクトが最小絶縁体直径を推定しなければならないことを意味しますが、ワイヤには非常に多くのバリエーションがあるため、ほとんどの場合、「厳密な」数字は与えられません(ガイドにもそのことが記載されています)。また、圧着端子を製造しているメーカーであれば、絶縁体直径も圧着品質を判断するための重要な指標としています。




オリジナル・ソース(英語)