コンパレータの入力電圧範囲とコモンモード電圧範囲

オペアンプ(Op-Amp)の入力コモンモード電圧範囲(CMVR)の一般的な定義は、反転入力電圧と非反転入力電圧の平均電圧です。オペアンプは負帰還を使用しており、通常は入力間で1mV以内に収まるので、これは許容範囲内です。

コンパレータの入力電圧値がここまで近いことは稀です。コンパレータの使用例の多くは、入力ピン間に大きな電位差があります。2つの入力の平均値がコモンモードの範囲内であっても、コンパレータの一方の入力値が入力範囲の仕様を超えてしまうことがあります。

例として、入力電圧の範囲が3.5Vのコンパレータを考えてみましょう。一方の入力は4VのDC信号、もう一方の入力は2VのDC信号です。オペアンプの定義では、入力は有効で、平均値は3Vです。しかし、これは両方の入力電圧が3.5Vより低くなければならないため、4Vの信号は入力範囲の仕様に違反しています。

コンパレータの絶対最大入力電圧範囲は、入力が損なわれない電圧範囲を指定するもので、指定された入力動作範囲を超えた場合は性能が保証されません。

結論として、入力コモンモード電圧範囲は、デバイスの正常な動作を保証するために、各入力の電圧範囲を規定します。コンパレータの入力電圧を「平均化」しないでください。

以下は、コンパレータのコモンモード範囲について要約したTexas Instrumentsのプレゼンテーションの抜粋です。




オリジナル・ソース(英語)