降圧回路を用いた負電圧の設計:TPS5430 を例にした負電圧の生成方法
TPS5430 は本来、グランドに対して正の電圧のみを生成する同期整流降圧(バック)コンバータです。ICの基準グランド電位を再定義することで、反転型バックブーストトポロジへと構成を変更し、システムグランドに対して安定した負の出力電圧を生成することが可能になります。
TPS5430 本来の標準的な正出力降圧回路(比較基準)
回路の電位基準
これは、TPS5430 のデータシートに記載されている本来の正出力降圧回路であり、すべての電位はシステムGND(0V)を基準としています。
(画像出典:Texas Instruments、TI)
電力経路
VIN(ピン7)→PH(ピン8)→パワーインダクタL→VOUTのプラス端子→グランドに接続された出力コンデンサのマイナス端子
フリーホイール動作
ハイサイドおよびローサイドのMOSFETは同期して動作します。ハイサイドスイッチがオンになってエネルギーを蓄積する一方で、ローサイドMOSFETはフリーホイール動作のために導通します。外部ダイオードは不要であり、この同期整流トポロジにより高い効率が得られます。
BOOT回路
0.01µFのセラミックコンデンサがBOOT(ピン1)とPHの間に接続され、ハイサイドMOSFETのフローティングゲート駆動用電源を供給します。
フィードバック回路網
上側の分圧抵抗は正のVOUTレールに接続され、下側の分圧抵抗は0Vのグランドに接続され、分圧点はVSENSE(ピン4)に入力されます。
TPS5430 を用いた負電圧回路
この回路は、反転型バックブーストトポロジを採用しています。標準的な降圧型 TPS5430 の構成を変更し、+5VDC入力からシステムグランドに対して安定した-5Vを出力します。これは、オペアンプやDACなどのアナログ回路の負電源レールを供給することを目的としています。
(出典: Texas Instruments、TI)
変更の基本原理
ICの基準グランド(GNDピンおよびPowerPADサーマルパッド)を、システムの0Vグランドではなく、-5Vの負の出力レールに接続します。このようにICの電位基準をシフトすることで負電圧を生成します。
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