ショットキーダイオードと標準ダイオード

ダイオードには小さいガラスのカプセルに入れられたツェナーダイオードから、非常に大きな整流ダイオードPUKモジュールまで、さまざまな形状と特色があります。ショットキーダイオードは、このスペクトルのどこか中間に位置しています。ショットキーを特別なものにしているのは何でしょうか?

一般に、ダイオードは多くの共通のパラメータを持っているため、ショットキーダイオードと「標準」ダイオード、つまり極めて一般的なシリコンPN接合整流ダイオード(1N400xを思い浮かべてください)とを比較することができます。

ショットキーダイオードの名前は、その独自構造に由来しています。他のダイオードとは一線を画す特性を与えるのもこの構造です。

構造

ショットキーダイオードはシリコンPN接合ダイオードとは構造が異なります。半導体材料の2つのドープ層の代わりに、ショットキーダイオードはN型ドープ材料に結合された金属の薄い層を使用します。この金属層とN型半導体の組み合わせはMS接合(金属-半導体接合)とも呼ばれ、これら2つの材料による収束は Walter H. Schottky にちなんでショットキーバリアと呼ばれ、そのためダイオードにその名前を与えています。

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メーカーの隠し味にもよりますが、この金属はプラチナ、タングステン、金などの貴金属のいずれかのようです。

特性

ショットキーバリアは一部のアプリケーションでダイオードを理想的なものにするいくつかの独自の特性に役立ちます。MS接合はPN接合よりも狭い空乏領域を生成します。

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空乏領域が狭いため、ショットキーダイオードに次の利点があります。

  • 低い順方向電圧
    • 順バイアスの場合、ショットキーは導通を開始するのに0.3~0.4Vしか必要としませんが、PN接合の場合は0.6~0.7Vです。これはバッテリ駆動や耐用電池アプリケーションのような省電力が絶対に必要なアプリケーションで役立ちます。
    • 順方向電圧が低いため、ショットキーダイオードは敏感なデバイスを過電圧から保護するのに理想的となります。
  • 高速スイッチング
    • この狭い空乏領域は順バイアスと逆バイアスの間ですばやくダイオードをオン / オフする必要がある高速スイッチングアプリケーションに適しています。この特性は、バックブーストコンバータなどのスイッチング電源に適しています。
  • 低ノイズ
    • 狭い空乏領域で容量性の低いダイオードが形成されます。これはPN接合ダイオードと比較して、リンギングやその他の容量性ノイズを回避できることを意味し、ショットキーダイオードをRF回路の良い選択肢にします。
  • パフォーマンス上の利点
    • 同様の仕様のPN接合ダイオードと比較するとショットキーダイオードは消費電力が少なく、大電力アプリケーションで熱を放散するのに熱効率が高い傾向があります。

狭い空乏コインの裏側には欠点があります。

  • 漏れ電流
    • すべてのダイオードが完全に理想的であるとは限らないため、逆バイアスで漏れ電流が発生します。ショットキーダイオードは、対応するPN接合に比べて空乏領域が狭いため、漏れ電流が大きくなる傾向があります。
  • より低い逆電圧
    • 空乏領域が狭いため、ショットキーダイオードはPN接合ダイオードと比べて高い逆電圧に耐えることができません。ショットキーダイオードでは通常はおよそ50Vの範囲であり、PN接合では通常500Vから始まり、KVの範囲になります。

アプリケーション

ショットキーバリアのユニークな特性は、電気回路・電子回路の多くのアプリケーションに、
適しています。適切度はさまざまですが、いくつかご紹介します。

  • 電圧クランプ-順方向電圧が低いので、ショットキーダイオードはレールツーレール・ステアリング回路と呼ばれることもある簡潔な電圧レールに電圧をクランプすることにより、過電圧や逆電圧の状況からデバイスを保護するためによく使用されます。
  • 効率のよいブロッキングダイオード-順方向電圧が低いので、ショットキーダイオードを太陽光発電システムで使用して、発電量がバッテリ電圧よりも低い場合に、太陽電池を通してバッテリが放電するのを防ぐことができます。太陽電池が完全に生産されている場合、ショットキーダイオードはバッテリを充電している間、わずかなオーバーヘッドしか必要としません。
  • スイッチモード電源-効率が良いのと回復時間が速いため、ショットキーダイオードは高効率電源やDC-DCコンバータ回路でよく使用されます。
  • バッテリ駆動デバイス-低電圧のオーバーヘッドと効率が重要な場合、ショットキーダイオードがデファクトスタンダードです。バッテリ駆動のデバイスでは、電圧オーバーヘッドが非常に重要であるため、ブロッキングダイオードが必要な場合は、多くの場合、逆バイアスされているとき、ショットキーの低い順方向電圧がその答えです。漏れ電流により、従来のPN接合ダイオードを使用した場合よりも速くバッテリが消耗します。

バイアス?

ショットキーダイオードが必要条件を満たすアプリケーションは他にも数千あります。ダイオードを必要とするアプリケーションが登場した場合は、1N400xをこれまでの習慣で選択してしまうのではなく、ショットキーダイオードを検討してください。 https://www.digikey.jp/short/zn0bf0

次回、Digi-Keyウェブサイトをブラウジングする機会に、リファレンスデザインライブラリ (https://www.digikey.jp/reference-designs/ja) をアクセスし、ショットキーを含む多くの回路図を確認してみてください。




オリジナル・ソース(英語)