セラミックコンデンサの経時変化(エージング) / decade hourとは何ですか?

セラミックコンデンサは、その材料の構造に応じて、時間の経過とともに静電容量の一部を失います。この損失は避けることはできませんが、測定して定量化することはできます。メーカーは、この損失の測定単位としてdecade hour(10倍時間)をよく使用します。

例として、KEMET部品番号C0603C105K8PACTUを調べてみましょう。これは、X7R温度係数を持つ、静電容量が10uFの部品です。Kemetは、この部品の静電容量がリフロー後の特定の時間枠の中において設計許容誤差内に入るように仕様化しています。そのためにdecade hourという尺度を導入しています。この場合の「decade hour」とは、以前の測定間隔よりも10倍長い期間、つまり線形の時間スケールではなく対数スケールの時間を指します。視覚的な例については、KEMETの分かり易いグラフを確認してください。

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グラフから分かるように、コンデンサは、最後の熱サイクル後、decade hourごとに全静電容量値の約5%を失います。リフロープロセスの1時間後、静電容量は約12ufです。10時間後、つまりdecade hour後、その静電容量は5%低下します。100時間後、または2 decade hour後には、さらに5%低下します。1000時間、つまり3 decade hourで、さらに5%低下し、意図した設計の許容範囲に適合します。

このdecade hourごとの静電容量値の5%の低下は、130Cを超える別の熱ストレスイベントにさらされるまで、コンデンサの寿命にわたって無期限に続きます。この熱ストレスイベントが発生した場合、静電容量はリセットされて12uFに戻り、ディエージングされた部品に対し、再びdecade hourタイマーが開始されます。

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オリジナル・ソース(英語)