APDahlen Applications Engineer
組み込みマイクロコントローラのラピッドプロトタイピングとはどのようなものですか?
ラピッドプロトタイピングという用語は、アイデアから動作するプロトタイプを迅速に構築するため使用されるコミュニティ、ハードウェア、ソフトウェア、およびウェブサービスを網羅しています。一例として、図1に示すMikroElektronikaの4G LTE&GNSS CLICKボードがあります。このブレークアウトボードは、組み込みプロジェクトにセルラー接続と GNSSナビゲーション機能を追加します。NECTO Studioのソフトウェアは設定およびコード開発を支援します。たとえば、図1に示すLTE&GNSSボードを、図2に示すMicrochipのCuriosityボードに追加することができます。このシステムは、クラウドサービスを用いて迅速にプログラミングできるため、概念実証(PoC)を行うことができます。
Raspberry PiのCompute Module Development Kitなどの製品も含めてラピッドプロトタイピングのエコシステムを拡大できることにご留意ください。また、図4に示すSilicon LabsのBusy Bee EFM8BB50 PRO KITなどの製品は、ラピッド開発エコシステムを低消費電力の組み込みアプリケーションまで拡大しています。
図1: LTE&GNSS MIKROE Clickボードを使用すると、プロトタイプにリモートセル接続とGPSナビゲーションをすぐに追加できます。
技術的なヒント: ラピッドプロトタイピングは、旅のようなものと捉えるのが一番です。アイデアで始まり、製品の生産で終わります。目標は、これらのステップをできるだけ早く進めることです。開発期間が短いほど、投資収益率(ROI)が大きくなります。生産数量はプロトタイピングに大きな影響を与えることにご注意ください。小量生産ではプロトタイプと同じハードウェアを使用する場合もありますが、大量生産ではコスト面が高度に最適化されます。
詳細については、こちらの記事をご覧ください。
図2: このMicrochipの64ビットクアッドコアRISC-V開発ボードは、MIKROE用のソケットを実装しています。
DigiKeyはラピッドプロトタイピングをサポートします
DigiKeyは、個別のマイクロコントローラからSOM(システムオンモジュール)まで幅広い組み込み部品を含むコンポーネントのディストリビュータです。DigiKeyはまた、マイクロコントローラにつながるセンサ、ADC、およびDACを幅広く取り揃えており、パラレル、I2C、SPI、QSPI などの多様なインターフェースに対応しています。
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初期のデモ: 初期段階では、DigiKeyはST Nucleo、Microchip Curiosity、Arduino、Raspberry Pi、およびMikroElektronikaのモジュールなど、作り手に優しいプロフェッショナルなラピッドプロトタイピングのプラットフォームを提供しています。これらのハードウェアプラットフォームは、サポートコミュニティの多大な貢献によってサポートされています。多くの場合、設計者はアイデアから実際に動作するコンセプトの実証まで、わずか数日で移行することができます。
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製造設計: この段階では、妥当なROIを維持するために迅速かつ断固とした対応が必要です。DigiKey は、設計者がディスクリート部品やモジュールを自由に組み合わせて使用できる、多種多様な容易に入手できるソリューションを提供しています。主なメリットは次のとおりです。
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DigiKeyの豊富な在庫と配送スピードは最も重要な要素です。
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パラメトリック検索エンジンは、DigiKeyの各製品ページに付属するデータシートと同様、設計者の最良のパートナーです。類似した部品を特定するための逆引き検索も実行できます。
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生産: 生産プロセスは、製造設計の延長線上にあります。ピックアンドプレースマシン用にコンポーネントをキット化する際、スピード、コスト、および入手可能性が最も重要な考慮事項となります。DigiKeyは、皆様のプロジェクトが拡大しても、信頼できるロジスティクスのパートナーであり続けます。
図3: Raspberry PiのCompute Module 5キットは、組み込みプロトタイピングのための環境を提供します。
技術的なヒント: 逆引き検索は、DigiKeyのパラメトリック検索エンジンの強力な機能です。既知の部品が与えられると、その部品の属性に基づいて類似の部品を検索することができます。コンプリメンタリトランジスタに関する記事では、そのプロセスについて説明しています。
逆引き検索を理解することにより、製品の生産のために部品をステージ済み(キット化)に移行する場合、特に時間を節約できます。
図4: EFM8 Busy Beeは、低消費電力のプロトタイピングを容易にします。拡張ヘッダと小型TFTディスプレイを搭載しています。
おわりに
ラピッドプロトタイピングに欠かせないDigiKey製品は何ですか?以下のコメント欄にご意見やご提案をお寄せください。
DigiKeyがお客様の次のレベルのプロジェクトをどのようにサポートできるか、ぜひお聞かせください。
ご健闘をお祈りします。
APDahlen
関連情報
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著者について
Aaron Dahlen氏、LCDR USCG(退役)は、DigiKeyでアプリケーションエンジニアを務めています。彼は、技術者およびエンジニアとしての27年間の軍役を通じて構築されたユニークなエレクトロニクスおよびオートメーションのベースを持っており、これは12年間教壇に立ったことによってさらに強化されました(経験と知識の融合)。ミネソタ州立大学Mankato校でMSEEの学位を取得したDahlen氏は、ABET認定EEプログラムで教鞭をとり、EETプログラムのプログラムコーディネーターを務め、軍の電子技術者にコンポーネントレベルの修理を教えてきました。彼はミネソタ州北部の自宅に戻り、このような記事のリサーチや執筆を楽しんでいます。