最小のIttyBitty RC555 タイマ/発振器


APDahlen Applications Engineer

こんにちは、TechForumの皆さん、

今日、定番の555タイマの最新版、Microchipの MIC1551YM5-TR を見つけました。このアイデアを共有してくれたPetr Dvořákさんに感謝します(リンクは下記)。

データシートでは「IttyBitty(ちっちゃな)RC555 タイプのタイマ/発振器」と呼ばれています。SOT-23-5パッケージに封入され、2.7V DCという低いレール電圧で動作します。

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MIC1551 と MIC1553 の違いは何ですか?

従来の555タイマは8ピンであるのに対し、MIC1551 と MIC1553 は5ピンです。その結果、これらのより小型のデバイスは機能が多少制限されます。この問題を軽減し、設計を簡素化するために、Microchipは図1に示すような2つのバリエーションを提供しています。

  • MIC1551: データシートによると、MIC1551 はアステーブル(発振器)、またはスレッショルド入力とトリガ入力を分離したモノステーブル(ワンショット)として使用できます。ワンショットモードでは、出力パルス幅は外部抵抗とコンデンサによって正確に制御されます。時間遅延はマイクロ秒から数時間まで正確に制御できます。発振器モードでは、出力は正確なフィードバックを提供するために使用され、最小1個の抵抗と1個のコンデンサでデューティサイクル50%の矩形波を生成します。

  • MIC1553: データシートによると、MIC1553 はアステーブル(発振器)動作専用に設計されており、低消費電力シャットダウン用のチップセレクト/リセット(CS)入力を備えています。1つの抵抗と1つのコンデンサで50%デューティサイクルの矩形波を生成します。

図1: デバイスのデータシートに記載されている MIC1551 および MIC1553 の代表的な応用回路

Microchipの MIC1551 および MIC1553 を用いたブレッドボード実験

新しい回路を試してみたい場合は、Sparkfun 00717 などのアダプタボードを使用すると良いでしょう。

555タイマ発振器はジェリービーンズ部品です

555タイマはジェリービーンズファミリの名誉あるメンバーです。この規準記事で定義されるとおり、ジェリービーンズ部品には以下の主要ないくつかの特徴があります。

  • 複数メーカーによる競争力ある価格設定: ジェリービーンズとして分類されるには、少なくとも5社のメーカーが部品のオリジナルまたはバリエーションを供給している必要があります。これにより競争力のある価格設定が実現し、サプライチェーンの混乱に対するリスク回避として機能し、継続的な供給を確保します。

  • 伝統と長寿命: ジェリービーンズ部品は時の試練に耐え、少なくとも40年間生産され続けています。

  • DigiKeyの高い在庫レベル: 本投稿はDigiKey TechForumへの投稿ですし独断と偏見で、通常在庫品であるDigiKey部品(バリエーション、マーケットプレース、コンプリメンタリデバイスを含む)を1,000,000個と設定します。

  • 教育: これらの部品はキットや教育実験に頻繁に採用されています。ジェリービーンズ部品は、電子工学教育の基礎となる構成要素です。ジェリービーンズ部品のほとんどは、HorowitzとHillの有名な教科書「Art of Electronics」(Gold版とSilver版)で紹介されています。

教育における MIC1551 および MIC1553の活用

555は数十年にわたり教育現場で使用されてきました。それは以下の点において独自の焦点を提供しているからです。

  • フリップフロップ形式のデジタル回路
  • 555の抵抗トリオによる電圧比較
  • 動作モード(例:ワンショット対アステーブルマルチバイブレータ)
  • RC時定数

MIC1551 と MIC1553 は、低電圧出力ドライバを搭載することで、この考え方をさらに発展させています。また、生徒は2つのICの違いを調べることで、555タイマの動作モードをより深く理解することができます。

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おわりに

私は常々、あらゆるプロジェクトには555タイマが必要だと言ってきました。MIC1551 および MIC1553 のバリエーションはこの考えを拡張し、特に従来の555と比較して外部部品点数が少ない点を考慮すると、その実現をより容易にします。

試してみて、感想を教えてください。

さて、低消費電力で何ができるだろうか?

よろしくお願いいたします。

Aaron

著者について

Aaron Dahlen氏、LCDR USCG(退役)は、DigiKeyでアプリケーションエンジニアを務めています。彼は、技術者およびエンジニアとしての27年間の軍役を通じて構築されたユニークなエレクトロニクスおよびオートメーションのベースを持っており、これは12年間教壇に立ったことによってさらに強化されました(経験と知識の融合)。ミネソタ州立大学Mankato校でMSEEの学位を取得したDahlen氏は、ABET認定EEプログラムで教鞭をとり、EETプログラムのプログラムコーディネーターを務め、軍の電子技術者にコンポーネントレベルの修理を教えてきました。彼はミネソタ州北部の自宅に戻り、このような記事のリサーチや執筆を楽しんでいます。




オリジナル・ソース(English)