mikroBUSアプリケーションの開発とトラブルシューティングガイド


APDahlen Applications Engineer

mikrobusとは?

mikroBUSソケットは、世界で最も急成長しているアドオンボード規格として宣伝されているオープン規格です。この記事を書いている時点で、mikroBUSソケットにカチッとはまるユニークな 「Click 」ボードが1772以上あります。このソケットは、Microchip、Renesas、およびNXPをはじめとする100社以上のメーカーのボードに搭載されています。

Clickボードは様々なセンサ、ワイヤレストランシーバ、GNSSレシーバ、ディスプレイなどの拡張ボードとして捉えることができます。典型的なアプリケーションには、1つ以上のmicrobusソケットを持つマイクロコントローラベースが含まれます。一例を図1に示します。 Arduino UNO R4 Minimaは、Arduino UNO用のClickシールドTerminal ClickDigi In Click、および IPD Clickをホストしています。これらの製品を組み合わせて、DIYプログラマブルロジックコントローラ(PLC)の基礎を提供します。

mikroBUSは、サポートされるプロトコルによって最も良く定義されます。柔軟性が最大となるよう、SPI(4ピン)、I2C(2ピン)、UART(2ピン)が含まれています。入力ラインとPWM出力ラインのあるアナログの規定も備えています。+3.3V DC、5.0V DC、およびグランドの他に、リセットラインも含まれています。

図1: Terminal Click拡張ボードは、Arduino UNOシールドとDigi In Clickボードの間にサンドイッチ状に挟まれています。

mikroBUSの開発とトラブルシューティングに関する課題は何でしょうか?

課題はボードというよりも、プロトコルについてです。ボードのピンにテスト機器を物理的に接続するのは難しい場合があります。SPIに必要な4本のラインのように、複数のピンがある場合は特に当てはまりますミニグラバーは使えるでしょうが、接続の数が増えるにつれて、ますます使いにくくなります。

Terminal Clickボードとロジックアナライザの使用

シンプルで比較的低コストのソリューションは、Terminal Clickボードを使用することです。このソリューションを図1に、ボードのクローズアップ写真を図2に示します。ライトアングルの0.1インチヘッダを使えば、図3に示すロジックアナライザの接続が簡単になります。

図2: I/Oピン名が鮮明に印字されたMIKROE Terminal Click拡張ボードの写真

図3: MIKRO Terminal ClickをDigilent Analog Discoveryに接続した様子

ロジックアナライザ

代表的なロジックアナライザの画面キャプチャを図4に示します。これは、MIKROE Digi In Clickボードをモニタする際に、DigilentのAnalog Discovery 3WaveFormsソフトウェアを使用して生成したものです。

ロジックアナライザの上部には、CS、MISO、MOSIなどの入力ラインと、Digi Inのラッチ、フォルト、レディが表示されます。16進値を直接読み取ることができるSPI MISOおよびSPI MOSIの表示で、WaveFormsソフトウェアの威力が発揮されます。この例では、Arduinoは0x08レジスタに0x0Fの値を書き込んでいます(MSBを1にして書き込みます)。0x07はCRCです。後半では、Arduinoは先に0x0Fを書き込んだ0x08レジスタを読み出しています。0x08はCRCです。

結論: Arduino UNOとMIKROE Digi In Click間のSPI転送は正常に機能しています。パケットを検査し、タイミングを分析することができます。

図4: SPIプロトコルによるデータ転送を示すDigilent Waveformsロジックアナライザの画面キャプチャ

おわりに

MIKROE Terminal Clickボードは、mikroBUS製品を使用した開発やトラブルシューティングに時間を費やす方には必須のツールです。ロジックアナライザと組み合わせると、困難な課題の通信プロトコルを簡単に診断することができます。

どうぞ皆さんのトラブルシューティングのヒントをコメント欄で共有してください。

ご健闘をお祈りします。

APDahlen

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著者について

Aaron Dahlen氏、LCDR USCG(退役)は、DigiKeyでアプリケーションエンジニアを務めています。彼は、技術者およびエンジニアとしての27年間の軍役を通じて構築されたユニークなエレクトロニクスおよびオートメーションのベースを持っており、これは12年間教壇に立ったことによってさらに強化されました(経験と知識の融合)。ミネソタ州立大学Mankato校でMSEEの学位を取得したDahlen氏は、ABET認定EEプログラムで教鞭をとり、EETプログラムのプログラムコーディネーターを務め、軍の電子技術者にコンポーネントレベルの修理を教えてきました。彼はミネソタ州北部の自宅に戻り、このような記事のリサーチや執筆を楽しんでいます。




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