漏れ電流はコンデンサにとって重要なパラメータです。ここでは、Vishayの安全コンデンサVJ2220Y472KXUSTX1を例に、この値の算出方法を説明します。
データシートには漏れ電流の値が直接記載はされていませんが、データシートに絶縁抵抗値が記載されている場合は、絶縁抵抗値(IR)を用いてこのパラメータを計算することができます。
VJ2220Y472KXUSTX1の絶縁抵抗値
このVishayの4700pFコンデンサの場合、最小のIRは100GΩ(25°C)です。最大漏れ電流は、試験電圧と絶縁抵抗値の関係から求めることができます。
- 最大漏れ電流 = 電圧 ÷ IR
このコンデンサの定格電圧は250Vrmsですが、1kVdcを超えるDC電圧にも耐えることができます。一般的に、500Vdcを超える電圧については、業界標準のIR試験電圧が500Vdcとなっています。
試験電圧の500Vdcに対して、漏れ電流 = 500Vdc ÷ 100Gohm = 5nA (最大)となります。しかし、通常、漏れ電流はこの値よりもはるかに小さくなります。
試験方法:500Vdcの電圧をかけ、20秒の浸漬時間で平均的な漏れ電流を測定します。浸漬時間が長いほど、さらに低いレベルの漏れ電流が得られます。