クランプマルチメータを使った小電流の測定

日本語フォーラム 電子部品技術の深層
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APDahlen Applications Engineer

一般的なクランプ式電流計は、大電流を測定するように設計されています。その一例が、図1に示すAmprobe/ FlukeのAMP-330型クランプ電流計です。この測定器は、最大1000AまでのACまたはDC電流を測定することができます。ただし、もっと小さな電流を測定したい場合もあります。この記事で説明するテクニックを使えば、メータの分解能と感度を上げて、より小さな電流に対応することができます。

Figure 1: Picture of the Amprobe AMP-330 meter with a 10-wire loop passing through the aperture: actual reading is approximately 500 mA.
Figure 1: Picture of the Amprobe AMP-330 meter with a 10-wire loop passing through the aperture: actual reading is approximately 500 mA.975×731 68 KB

図1： 写真は開口部に10本のワイヤループが通っているAmprobeのAMP-330メータで、実際の読み取り値は約500mAです。

クランプ電流計の紹介

クランプ式電流計は、ワイヤを通過する電流を測定するように設計されています。これは、ワイヤを取り囲む磁界の強さを感知することにより、電流を測定します。大まかな概念として、電流計は、一次側を通過する1本のワイヤを備えた変流器として捉えることができます。一次側（開口部を通過するワイヤ）の電流が増加すると、二次側で検出される電流も増加し、メータで測定され表示されます。実際には、磁場を測定するために1個以上のホール効果センサ（半導体磁気センサ）が使用されます。

クランプ式メータの最大の特長は、回路に影響を与えることなく電流を測定できることです。メータのジョーを開き、大きな直径のワイヤの周囲に直接装着することができます。

技術的なヒント： 電流計のジョーに1本のワイヤを通すことを忘れないでください。たとえば、ホットワイヤまたはリターンワイヤのいずれかを測定できます。地絡がないと仮定すると、両方のワイヤに流れる電流は同じになります。初歩的な間違いは、両方のワイヤをジョーに通して、メータの読み取り値がゼロになってしまうことです。この誤った設定では、各ワイヤの磁場は逆の「極性」を持ち、その結果、磁場はほぼ相殺されます。

小電流の測定

1000Aを測定するように設計されたメータの問題は、低電流の分析が難しいことです。解決策は、メータに表示される電流を増やすことです。これは、メータの開口部にワイヤをN回通すだけで簡単に行えます。

メータの観点から見ると、これは乗算のプロセスであり、メータはワイヤが閉じたジョーを通過するN倍のワイヤ電流を表示します。

例として、

  • 2.5Aの電流がワイヤを通過していると仮定します

  • ワイヤをメータの開口部に4回通します

  • メータには10Aと表示されます

  • メータの読み取り値をワイヤ通過の回数で割ると、本当の読み取り値2.5Aが得られます

実際問題として、図1に示すように、ワイヤをメータに10回通すのが簡単です。これにより、メータの読み取り値を10で割るだけなので、計算が簡単になります。図1で表示されている4.96Aの電流は、実際には0.496A RMSです。

民生用機器の電流測定を想定している場合は、図2に示すラインスプリッタに興味があるかもしれません。2つのウィンドウにより、ワイヤの1ターンループと 10ターンループに簡単にアクセスできます。

Figure 2: TPI’s (Test Products Int) A202 line splitter contains the 10-turn loop making it easy to measure the current consumption of consumer devices.
Figure 2: TPI’s (Test Products Int) A202 line splitter contains the 10-turn loop making it easy to measure the current consumption of consumer devices.975×976 23.6 KB

図2： TPI（Test Products Int）のA202ラインスプリッタには10ターンループが含まれており、民生用デバイスの消費電流を簡単に測定できます。

技術的なヒント： このマルチパステクニックは、一般的にワイヤを通すすべての電流測定装置に適用することができます。ターン数は電流センサの限界（飽和）によって決まります。突入電流やその他の電流スパイクに注意してください。磁気ヒステリシス効果が残留していると、望ましくない測定オフセットが発生することがあります。

安全性

安全性についての議論なしに、大電力試験装置の議論は終わりません。

\color{red}\Huge \fbox{警告}

大電力の電気システムに初めて接する読者の皆さんは、私たちの行動がいかに重大なものであるかを認識するために、少し時間を取る必要があります。一歩間違えれば、コスト、生産時間、装置の損傷、火災、あるいは人身事故を引き起こす可能性があります。

機械や高電圧システムを含むすべての作業の出発点として、いくつかの重要な規定があります。

  • あなたに、その仕事を遂行する資格があること

  • 電気ショック、アークおよび爆発、機械的、もつれ、化学物質、熱、流体注入、火災などを含むが、これらに限定されない産業用システムに関連するリスクを理解していること

  • 装置の非標準的な改造や操作について、上司に報告済みであること

  • 作業を行う前に、上司およびその他の重要な要員とともに、リスクアセスメントと安全性分析を実施すること

  • 適切なロックアウト・タグアウト（LOTO）プロセスを実施していること

  • 適用されるすべての雇用主、州、および連邦政府のガイドラインに従うこと

結論のトリビア

この記事の最後に、図2のラインスプリッタをよくご覧ください。スプリッタのデータシートには、X1とX10のウィンドウの周囲に直接「テストエリア」と書かれています。

なぜでしょう？

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幸運を祈ります。

APDahlen




オリジナル・ソース（English）