リレーについては、特にノーマリオープン(NO)接点とノーマリクローズ(NC)接点の違いに焦点を当てた多くの記事が書かれています。これらは有益ですが、多くの場合、抽象的すぎます。学生はその違いを直感的にほとんど理解していないことがよくあります。本当の学習は、実験室でリレーの接続を間違えたときに始まります。
この記事では、リレー接点の種類の違いに焦点をあてた簡単な実験について説明します。実験ではリレーの動作をじかに見聞きし、実際に操作し、その場ですぐにその反応を見ることができます。ここでの学びは、ステートマシンを含むリレーの継続的な研究に直接適用できます。
この記事は、読者がスイッチにある程度詳しく、DPDTとSPSTのようなデバイスの違いを理解していることを前提としています。
必要な部品
実験には、リレー、2つの押しボタン、24V DC電源を含む3つのコンポーネントが必要です。 この例では、図1に示すパーツを使用します。
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スナップアクションスイッチEAO製 704.900.1 コンタクトブロック2個。他のスイッチを使用しても構いません。ただし、一般的な産業用制御部品に慣れるには、この部品を使用するのを推奨します。
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リレーアセンブリ1個。図1のアセンブリには、Finder製リレーとソケットとダイオードモジュールが含まれていることに注意してください。
他の種類のリレーでも代用できます。ただし、機械的に操作できるリレーを必ず選択してください。図2に示されているFinder46シリーズなどのリレーには、物理的な操作メカニズムが備わっています。この機械的な「スイッチ」を物理的に押すと、リレー接点が「通電」位置に切り替わります。ピップが取り外されていれば、この機構も回転させることができます。
先に述べた部品に加えて 704.900.2 などのNCスイッチと470uF 50V DCコンデンサを追加するとよいでしょう。これらの追加部品の目的は、この記事の最後にある追加学習問題で提案されています。
技術的なヒント: リレーやコンタクタを機械的に操作することは、一般的に悪い行為と考えられています。トラブルシューティング中は、そうしたくなるものです。しかし、機械が不意に動きだす可能性があり、装置を損傷したり、人体に危害が及ぶ可能性があります。もしあなたがPLCプログラマーであるならば、接点をモニタし、デバイスが操作された場合は直ちにフォールト状態にすることをお勧めします。
図1: リレーのノーマリクローズ接点を調査するための実験室のセットアップ
図2: Finder製(46シリーズ)リレーは、最初にプラスチック製のピップを取り外すと所定の位置にロックできます。
回路図
実験は、図3の概略図に示すように2段階に分けて行われます。左側がNC構成で、右側がNO構成です。この2つの構成には、1本のワイヤの接続に違いがあることが分かります。ワイヤがNC(ピン12)からNO(ピン14)に移動していることが分かります。
図3: ノーマリオープンおよびノーマリクローズのリレーの実験回路図
回路構成
回路構成を図1に示します。いくつかのヒントを次に示します。
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フェルール終端を備えたプレカットワイヤ( precut wires with ferrule terminations )を使用すると便利です。
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ツインフェルールの使用が役立つ場合があります。
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接点には、リレーとソケットのラベルが明確に付けられています。COM接点はソケットの下段にあります。NO接点は中段にあり、NC接点は上段にあります。
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電源のプラス端子が端子A1に接続されている場合にだけリレーが作動するので、コイルの極性に注意してください。
実験結果
申し訳ありません。この記事で明らかにしようとしている実習のポイントはそこではありません。結果を提示する代わりに、分かりやすい問いかけを通してより深く学びませんか?
基本的な質問と実験による観察
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押しボタンスナップ アクションスイッチをSPSTまたはDPSTとして分類してください。
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リレーをSPDTまたはDPDTとして分類してください。
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コイルがNC接点と直列に配線されている場合のリレーの動作を説明してください。スイッチAとスイッチBに関連する相互作用を明確に説明してください。
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コイルがNO接点と直列に配線されている場合のリレーの動作を説明してください。スイッチAとスイッチBに関連する相互作用を明確に説明してください。
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「B」スイッチと機械的にリレーを操作することの違いは何でしょうか?
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リレーに関連する「ラッチ」という用語を調べて定義してください。
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リレーに関連する「バイブレータ(電子的な)」という用語を調べて定義してください。
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タトウーガンの操作方法を調べ、それがこれらの実験とどのように関連しているかを説明してください。
高度な質問と今後の研究課題
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「3線式モータスタータ」という用語について調べてください。この構成を使用して、NO回路を変更し、スイッチにラベルを貼り、3本のワイヤをそれぞれ識別してください。NCをNO押しボタンに交換するといいでしょう。
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FordのモデルTに搭載されている「振動コイル」の動作を調べてください。それがこれらの実験とどのように関連しているかを説明してください。
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SPDTのEAO社のメカニズムを置き換えるDPDTスイッチのDigiKey品番 を見つけてください(Locate the DigiKey part number )。
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追加の課題として、NC 実験に戻り、コイルと並列に100uF 35V DCコンデンサを追加します。結果を説明し、変化の原因を推測します。極性を間違えるとコンデンサが急激に分解(爆発)する恐れがありますので、極性に注意してください。
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この文書で説明されているリレーは、テスト目的で機械的に操作され、所定の位置にロックされる場合があります。 何が問題になるのか説明してください。
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メンテナンス責任者として、リレーのロックピップを取り外すことを推奨しますか?或いはそのようなリレーは損傷しているため交換が必要だと考えられますか?それはなぜですか?
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技術者が不注意でリレーを作動状態にしてしまい、1時間のプラント停止時間が発生したとします。このミスの総コストを計算して下さい。
まとめ
この記事で紹介する実践的な取り組みは非常にシンプルです。しかし、その意味は深いです。産業用制御システムを理解するための基礎となります。
さあ、回路を構築してリレーのNOとNC接点の深い意味と意義を発見しましょう。
ご健闘をお祈りします。
APDahlen
著者について
Aaron Dahlen 氏、LCDR USCG(退役)は、DigiKeyでアプリケーションエンジニアを務めています。彼は、技術者およびエンジニアとしての27年間の軍役を通じて構築された独自のエレクトロニクスおよびオートメーションのベースを持っており、これは12年間の教育によってさらに強化されました(経験と知識の融合)。ミネソタ州立大学Mankato校でMSEEの学位を取得したDahlen氏は、ABET認定EEプログラムで教鞭を取り、EETプログラムのプログラムコーディネーターを務め、軍用電子技術者にコンポーネントレベルの修理を教えてきました。彼はミネソタ州北部の自宅に戻り、このような記事のリサーチや執筆を楽しんでいます。LinkedIn | Aaron Dahlen - Application Engineer - DigiKey