センサ/アクチュエータ端子台を使用した制御パネルの最適化


APDahlen Applications Engineer

センサ/アクチュエータ端子台とは何でしょうか?

センサ/アクチュエータ端子台は、イニシエータ/アクチュエータ端子台とも呼ばれ、産業用制御パネルで使用される特殊なタイプの端子台です。特に、パネル内部配線と、センサやアクチュエータなどの外部フィールドデバイスの間の責任分界点として使用する場合に有用です。端子台は、図1および図2に示すように、2層(3線式)または3層(4線式)のスライスに信号接続だけでなく電源接続も組み込むことで、パネルスペースを節約するように設計されています。端子台は、シンプルでクリーンなパネル構造を容易にすると同時に、パネルトップのフィールドデバイスインターフェースのトラブルシューティングの場所を容易に特定できるようにします。マルチメータプローブを差し込める小さな円形の穴を備えており、問題が制御パネルの内部にあるか、外部にあるかを判断してトラブルシューティングを行うことができます。

図1: Weidmüllerのセンサ/アクチュエータ端子台は、DINレールの右側にあります。電源分配用の赤と青の4ポジションジャンパはユニットの前面に見えます。

技術的なヒント: センサ/アクチュエータ端子台の1枚のスライスは、電源接続用に割り当てられています。例えば、図1のユニットは4つの端子台を備えています。一番左の端子台は電源用で、右の3つの端子台はフィールドデバイス用として使用できます。

図2: 組み立て前のWeidmüllerのセンサ/アクチュエータコンポーネントの写真

センサ/アクチュエータ端子台はどのように使用するの でしょうか?

センサ/アクチュエータ端子台は、従来の端子台と比較することでよく理解できます。図3では、手前に4線式のM12コネクタがあり、奥に従来の端子台(青色)があります。従来の端子台は、図4に示すように、各配線ごとに端子台を必要とするため、DINレール上でかなりのスペースをとります。それに比べれば、センサ/アクチュエータ端子台はスペース効率が優れています。図4の状態は、未使用のセンサ/アクチュエータ端子台用の空きスロットがあり、3つ目のセンサ/アクチュエータ端子台を取り付けることができますので、想定よりも良好であることに注目してください。

図3: 手前が4ピンM12コネクタ、奥が従来の(青い)端子台

図4: 従来の端子台(左)とセンサ/アクチュエータ端子台(右)のDIN面積の比較。センサ/アクチュエータシステム(右)には、3つ目のセンサ用の空きスロットがあることに注目してください。

センサとアクチュエータの配線規格

標準的な配線規格に従って、4線式のカラーコードを思い出してください。図3と図4に示すように、これら4本のワイヤはそれぞれ専用の端子台を必要とします。

  • 茶:+24 VDC
  • 青:リターン
  • 黒:信号
  • 白:ティーチング信号

センサ/アクチュエータの配線

センサ/アクチュエータ端子台の配線を図5に示します。右側の4本のワイヤはセンサ専用で、左側の2本のワイヤはセンサを制御パネルに接続するためのものです。制御パネルの 「責任分界点」のコンセプトは、この写真に暗示的に表れています。狭い間隔で接続された4本のワイヤが、4線式センサケーブルの理想的な終端点を提供しているからです。

図5: 4線式3層のセンサ/アクチュエータ端子台の写真。センサの4本の接続は左側に示され、PLCへの接続は右側に示されています。

センサ/アクチュエータ端子台の製品群

ほとんどの産業用オートメーションおよび制御装置と同様に、センサ/ アクチュエータ端子台は、ファミリ製品として提供されます。図2と図6に、ファミリ製品の一部を示します。3線式2層端子台を図6(下)に、4線式3層端子台を図1、図2、図5、および図6(上)に示します。

アクセサリ

図2は、エンドプレート赤色の4ポジションジャンパ青色のジャンパなど、端子台を構成するアクセサリの一部を示しています。

アクセサリの詳細の説明は、この4線式3層端子台のようなWeidmüllerのカタログページでご覧いただけます。一般注文データにあるアクセサリの項をクリックしてください。そこには、テストポイント、マーカー、2~50ポジションの長さのジャンパが掲載されています。

図6: Weidmüllerの4線式3層(上)と3線式2層(下)のセンサ/アクチュエータ端子台の写真

まとめ

センサ/アクチュエータ端子台は、産業用制御パネルと外部フィールドデバイスの間の責任分界点として機能します。1つのセンサまたは1つのアクチュエータベースで、便利で見やすく、トラブルシューティングが容易なインターフェースを提供します。スペースを節約することで、パネルの総設置面積を削減できるという追加の利点が得られます。

この記事の最後にある問題と批判的思考を使う問題に答えて、あなたの知識を試してみてください。また、皆様からのご意見もお待ちしております。ご意見、ご感想はこの記事の下にあるスペースからお寄せください。最後に、この記事から何かを学んだ方はいいねをクリックしてください。

ご健闘をお祈りします。

APDahlen

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著者について

Aaron Dahlen氏、LCDR USCG(退役)は、DigiKeyでアプリケーションエンジニアを務めています。彼は、技術者およびエンジニアとしての27年間の軍役を通じて構築されたユニークなエレクトロニクスおよびオートメーションのベースを持っており、これは12年間(一部、軍での経験を織り交ぜて)教鞭をとったことによってさらに強化されました。ミネソタ州立大学Mankato校でMSEEの学位を取得したDahlen氏は、ABET認定EEプログラムで教鞭をとり、EETプログラムのプログラムコーディネーターを務め、軍の電子技術者にコンポーネントレベルの修理を教えてきました。彼はミネソタ州北部の自宅に戻り、このような記事のリサーチやエレクトロニクスとオートメーションに関する教育記事の執筆を楽しんでいます。

注目すべき経験

Dahlen氏は、DigiKey TechForumに積極的に貢献しています。この記事を書いている時点で、彼は160以上のユニークな記事を作成し、さらにTechForumへ550にものぼる投稿を提供しています。Dahlen氏は、マイクロコントローラ、VerilogによるFPGAプログラミング、膨大な産業用制御に関する研究など、さまざまなトピックに関する見識を共有しています。

LinkedInでAaron Dahlenとつながります。

問題

以下の問題は、記事の内容の理解を深めるのに役に立つでしょう。

  1. この記事で使われている「責任分界点」とはどういう意味ですか?

  2. 1層、2層、および3層端子台の側面図を描いてください。

  3. センサ/アクチュエータ端子台で使用されるジャンパの目的は何ですか?

  4. センサ/アクチュエータが、ポジション数5のジャンパを使って構成されています。その結果、何個のセンサが端子台に接続できますか?

  5. ポジション数4のジャンパでつながれた4線式3層のセンサ/アクチュエータ端子台の上面(鳥瞰図)を描いてください。この図に対し、それぞれの層の目的を明らかにしてください。

  6. 4線式センサのティーチング信号の目的は何ですか?

  7. ポジション数50のジャンパを備えたWeidmüllerのセンサ/アクチュエータ端子台の全長を計算してください。満点を取るには、エンドプレートの幅と両端のWeidmüllerのエンドストップを含めてください。

  8. 24V DCのリターン線に白地に青のストライプのワイヤを使用するとして、対応するセンサのワイヤの色は何色ですか?

  9. 前の問題は、ワイヤの色に関する混乱の元を特定するものです。この問題を避けるための記憶法やその他の手法を説明 してください。

  10. リレーと極性に関して、プラスとマイナスの端子の呼称は何でしょうか?

  11. 図3示されるM12コネクタのフライングケーブルの、3フィートの交換用ケーブルを探してください。

  12. DigiKey 検索ツールを使用して、センサ/アクチュエータ端子台に適合する2つの独自のセンサと2つの独自のアクチュエータを見つけてください。

批判的思考を使う問題

これらの批判的思考の問題は、記事の内容を発展させ、その内容や隣接するトピックとの関係を全体像として理解することができます。このような問題は、自由回答形式であることが多く、リサーチが必要であり、エッセイ形式で答えるのが最適です。

  1. 図5は、4線式3層のセンサ/アクチュエータ端子台の配線を示しています。どの接続が固定されており、どの接続が変更可能ですか?

  2. この記事はWeidmüllerのセンサ/アクチュエータ端子台を掲載しています。DigiKeyの検索エンジンを使用して、他のメーカーの同様の製品を検索してください。

  3. M12コネクタのピンを識別する図を描いてください。この図に、各ピンの色を書き加えてください。

  4. センサ/アクチュエータ端子台システムとIO-Linkシステムとのハイレベルの比較と検討を行ってください。 利点は無視してください。小規模なスタンドアロン機器と大規模な産業設備を考慮した範囲を示してください。最後に、センサ/アクチュエータ端子台ベースの設置の将来についてコメントをお願いします。




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