リニアレギュレータが故障しています!

Digi-Keyでは、リニア電圧レギュレータ を購入された方から、 「不具合品だ。」との苦情をよくお受けしています。その症状は、部品がシャットダウンする(出力電圧がない)か、場合によっては実際に過熱して壊れてしまうかのいずれかです。

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リニアレギュレータの問題のほとんどは、レギュレータの不良によるものではありません。問題の原因は、お客様がレギュレータがどのように機能するかを理解していないことにあります。リニア電圧レギュレータは、内部のパストランジスタのインピーダンスを調整することで出力電圧を制御し、パストランジスタは必要な出力レベルに達するまで入力からの余分な電圧を低下させます。この電圧降下とパストランジスタを通過する電流が乗算されることで 熱が発生 しますので、この熱を内部のシリコンチップから除去 して過熱状態を防ぐ必要があります。

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一般的に、レギュレータで過度に電圧を下げようとすると問題が発生し、その結果、放散できる以上の熱が発生します。適切なサイズのヒートシンクを使用していても、出力電流および入出力電圧差の組み合わせが大きすぎるとデバイスが過熱する可能性があります。

LDO(低ドロップアウトレギュレータ)が入力125Vと出力700mAに対応しているからといって、同時にそれらの要件に対応できるわけではありません。

例えば、Vinmaxが125VのTL783を見てみましょう。100V から 95V まで電圧を降下させて 700mA のフル出力電流を得ようとする場合、以下のような消費電力が必要になります。5V × 700mA = 3.5W ; これはヒートシンクを使用する十分に合理的な熱量です。あなたが負荷に24V電圧を供給するために100Vレールをドロップダウンして、負荷に24V電圧を供給しようとしている場合は、発生する76V × 700mA = 53.2Wの熱を取り除く必要があります。 これは、そのパッケージタイプでは本質的に不可能です。ヒートシンクを使用せずに、たとえば100Vから5Vへのような比較的高い電圧を低電圧に落としたい場合は、電流の量を10mA程度に制限する必要があります。その場合の消費電力は約0.95Wです。

そのため、レギュレータが熱くなりすぎて期待通りに機能していない場合は、以下のうちの1つ以上を行うことが解決策となります:

以下は、入力条件と出力条件のセットが与えられた場合のヒートシンク要件の決定に関する詳細な情報へのリンクです。




オリジナル・ソース(英語)