LDOレギュレータが低負荷電流で仕様から外れています!

お客様から電話があり、電源を入れたときに低ドロップアウト(LDO)電圧レギュレータの出力電圧が仕様から外れているとの連絡を受けたことが何度もありました。出力電圧が本来の電圧よりも著しく高かったのです。

このような問題が起こったときの最初の質問は「負荷電流はどれくらいですか?」です。

しばしば、その答えは「まだ負荷電流を流していません。レギュレータをちょっとテストして、負荷をかける前に正しく動くことを確認しています。」というものです。

そしてそこに問題があります。多くのLDOは正確に動作して電圧を安定化させるために最小負荷電流を必要とします。すべてのLDOにこの要件があるわけではないので、データシートを注意深く読む必要があります。多くの場合、データシートの最初のページの表示には仕様が明確に記載されていません。そのため1ページ目以降を見る必要があります。

場合により、最小負荷電流を直接明記せず、別の仕様の中に暗示するだけのことがあります。たとえば、次に示す典型的なLDOのデータシートの2ページ目の一部を取り上げてみましょう。

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「出力電圧負荷レギュレーション」の仕様が「Iout = 10mA to 3A」という条件で記述されていることに注意してください。これは出力電流が10mA未満かまたは3Aを超えると、出力電圧が仕様の範囲内に留まらない可能性があることを意味します。公平を期すため、この特定のデータシートでは、後の「機能説明」セクションで最小負荷電流の要件について説明しています。

ポイントは、LDOの中には、デバイスが電圧を正確に制御するために最小負荷電流を必要とするものがあるということです。選択したデバイスのデータシートを常に注意深く読まなくてはならないのです。それがどのように機能するかを想定するだけではいけません。




オリジナル・ソース(英語)