クラス2とクラスIIの電源の違いは大きく、理解することが重要です。NEC(National Electric Code)のクラス2とは、AC/DC電源装置の出力電圧と電力能力であり、IEC(International Electrotechnical Commission)の保護等級であるクラスIIとは、電源装置の内部構造と電気絶縁のことです。
NECクラス2の出力電圧と電力
NECクラス2の区分は、建築物に電気設備を設置する際に重要です。クラス2電源装置の規制は、電源装置の出力と負荷の入力間の配線要件(電線サイズと絶縁、電線の低減率、過電流保護限界、および配線の設置方法)を規定しています。クラス2電源は、出力電圧と電力供給能力が制限されているため、火災の発生や感電の危険性が低く、安価な配線方法を採用できると認識されています。
NECクラス2電源の影響を受ける配線
IECクラスIIの絶縁保護
IEC保護等級は、ユーザーを感電から保護するために、電源装置の構造と絶縁を規定しています。クラスII電源装置においては、ユーザーと内部通電導体との間に2層の絶縁材(または1層の強化絶縁材)があります。2層の絶縁材で設計された機器では、1層目の絶縁材は一般的に「基礎絶縁材」と呼ばれています。一般的な基礎絶縁材の例としては、電線の絶縁材が挙げられます。2層目の絶縁材でよくあるのは、ウォールマウント型やデスクトップ型電源に見られるプラスチックケースのような、製品を囲む絶縁ケースです。
IEC保護等級クラスIIのシンボルを表示したラベルIEC保護等級クラスIIの電源装置は、安全アース接続を有する3線式電源コードではなく、2線式電源コードを有しています。クラスII絶縁設計の製品は、しばしば「クラスII」または「二重絶縁」と表示されたり、安全ラベルに同心四角形のマークが表示されたりします。
NECクラス2とIECクラスII指定の電源装置の違いを理解することは簡単ですが、ユーザーアプリケーションに正しい製品を指定するための重要な要素です。最終的には、クラス2またはクラスII認定のパワーモジュールを選択することで、お客様の設計で、発生する可能性のある感電やその他の危険、故障を防ぐことができます。
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