DACのバッファ付き出力とバッファなし出力

DACのアナログ出力は電圧出力形式か電流出力形式かのどちらかです。出力インピーダンスはどちらの出力形式にとっても、より重要なパラメータの1つです。

電圧モード出力では、通常デジタル・アナログ変換に2進荷重形抵抗ネットワークを使います。

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図1. 電圧モードの2進荷重形抵抗DAC変換構成

バッファがなければ、出力はいつも高インピーダンスになり、負荷によって出力電圧の誤差を生じますが、「バッファ」(オペアンプ)を追加することでインピーダンスを下げることができます。

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図2. DAC出力バッファ

電流出力形DACはコード依存の出力インピーダンスがあるので、出力の直線性を維持するために負荷の前段で仮想接地のオペアンプを駆動する必要があります。例としてAnalog Device の AD5545 を取り上げてみましょう。
電流出力 IOUT は OP_AMP の反転入力端子に接続されているので、OP_AMP は I-V 変換器として動作します。
これによりVOUTはVREF値のみを参照するようになるため、DACの出力安定性を向上させることができます。
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図3. 電流モードの2進荷重形抵抗DAC変換構造

「バッファアンプ」が必要なため、メーカーはバッファを組み込んだ製品を作りますが、これにより部品点数やコストの削減につながります。「バッファ付き」DACとは出力がバッファされていることを意味し、データシートにこのことを記載し、出力インピーダンスが低くなることことを示します。DACがバッファされていないというデータシートの記述は、パラメータが「無負荷」として規定されていることです。

メーカーはまた「バッファなしDAC」を市場に提供しています。その利点は、設計者が例えば大電流駆動、広い電源範囲、より広い帯域幅などアプリケーションに適したアンプを選択できることです。アンプなどは、高い設計の自由度があります。

さらなる記事や情報は次のサイトで見ることができます。
ADI’s DACs Buffering Training Module
ADI’s ADC/DAC solutions
Basic DAC Architectures II: Binary DACs








オリジナル・ソース(英語)