単純なDC回路におけるオームの法則の適用

電子部品を扱う時に知っておくべきことの1つは電圧降下、抵抗および電流を計算する方法です。これら3つのパラメータのうち2つがわかっている場合、オームの法則に従って3番目のパラメータを計算することができます。時々そのことが不明確になることがありますので、いくつかの簡単な回路について、この計算をしてみましょう。

直列抵抗回路

下図の回路は、12VDC電源を使用して、2つの抵抗が直列に接続されています。最初のステップは、回路の総抵抗を計算し、次に、回路の電流を計算することです。直列回路では、回路全体に流れる電流は同じである(個々の抵抗を流れる電流も同じ)ということが、重要なポイントになります。

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回路の総抵抗は、2つの抵抗の和で11Kオームになり、回路の総電圧降下は12VDCになります。これで、I(アンペア)= V(ボルト)/ R(オーム)となるオームの法則に従って電流が計算できます。

回路の電流はここをクリック

.00109A

公式V=IR を使用して、1K オームと10K オームの抵抗の電圧降下が計算できます。

1Kオームの抵抗の電圧降下

V=.00109 X 1000
V=1.09V

10Kオームの抵抗の電圧降下

V=.00109 X 10000
V=10.9V

並列抵抗回路

下図の回路は同じ12VDC電源を使用していますが、抵抗は並列になっています。並列に接続された2つの抵抗の両端の電圧は同じであるため、この回路の2つの抵抗の電圧降下は12 Vとなりますが、抵抗値が異なるため、2つの抵抗を流れる電流は違います。

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そこで、ここでは1Kオームの抵抗の電流から計算します。ここでも、抵抗と電圧がわかっているので、公式のI = V / Rを使用します。

1Kオームの抵抗の電流

I=12/1000
I=.012A

同様に、10Kオームの抵抗の電流を計算します。

10Kオームの抵抗の電流

I=12/10000
I=.0012A

この回路の合計の電流は、それぞれの抵抗に流れる電流の和となります。

回路の合計電流

.0012A + .012A = .0132 A

これらの計算結果から、それぞれの回路(直列回路と並列回路)の消費電力(V x I)を計算することができます。

直列回路の消費電力は、12V x 0.00109A = 0.01308Wとなります。
並列回路の消費電力は、12V x 0.0132A = 0.1584Wとなります。

直並列回路を見てみましょう

下図は単純な直並列回路です。多くの初心者が学習中にこの直並列回路をブレッドボード上で使用されますので、この計算方法を理解することが重要です。

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並列回路部分に、同等特性の2つのLEDを追加しました。並列回路部分の合計電流は分岐電流の和となりますので、40mAとなります。残りのR1の抵抗とLED の並列回路は直列となっていますので、回路全体の電流も40mAとなることがわかります。

これで、R1の抵抗の値を計算するのに必要な情報が得られました。回路全体が12Vで、LEDの電圧降下 が2.2Vですので、抵抗の両端の電圧降下は9.8Vとなります。40mAの電流が流れていて、電圧降下が9.8V ですから、公式R = V / Iを使用して抵抗を計算することができます。

R1 の抵抗値

R=9.8/.040
R=245オーム

この例では 245オームとなりましたが、一般的な値の240または、250オームの抵抗を使用されるとよいでしょう。







オリジナル・ソース(英語)