評価ボードMAX32660-EVSYSは、デバッグ部分とコア部分が完全に分離されています。ボード電源はマイクロUSBポートから供給されます。ボード上のジャンパ線を切り替えて、MAX32660チップに3.3Vまたは1.8Vの電源を供給します。MAX32600は1.8Vの電源電圧に対応しているため、消費電力が低く、バッテリ駆動のアプリケーションに適しています。デバッガ部分には3色のLEDも搭載されています。LEDの色によって、ボードの動作状態を判断することができます。たとえば、青はシリアルポート通信中であり、緑はデバッガがプログラムをダウンロード中であり、赤はデバッガがファームウェアのアップグレードモードに入ったことを示します。
MAX32660は、ARM Cortex-M4Fベースのプロセッサです。したがって、ソフトウェア開発には、一般的に入手可能な開発ツールがサポートされています。たとえば、MDK-ARMを使用でき、対応するパッケージをダウンロードすることができます。ここでは、サプライヤが提供する統合開発環境(IDE)をご紹介します。これは、実際にはEclipse®上のシェルベースのツールです。
新しいプロジェクトの作成
Eclipse®は、C/C++開発ツール(CDT)プラグインによりCおよびC++言語をサポートする統合開発環境(IDE)です。
デフォルトでは、Eclipseはインストール時にプロジェクトファイルを保存するワークスペース(C:/User/<ユーザー名>/workspace)を作成します。
Hello_World_Newという新しいCプロジェクトをゼロから作成
以下の手順を実行してください。
- メニューバーから、「File」>「New」>「C Project」を選択します。「C Project」ダイアログボックスが表示されます。
- 「Project name」フィールドにプロジェクトの名前を指定します(例:Hello_World_New)。
- 「Project type」フィールドで「Executable」フォルダを展開し、「Empty Project」を選択します。デフォルトでは、Eclipseが実行されているシステムでビルド可能なProject typeのみが表示されます。
- 「Toolchains」フィールドのリストから「Cross ARM GCC」を選択します。
- 「Next」をクリックします。以下の図に示される「Select Configurations」ダイアログボックスが表示されます。
- 「Configurations」フィールドの「Release」チェックボックスをオフにします。
- 「Advanced settings…」をクリックします。「Properties for Hello_World_New」ダイアログボックスが表示されます。
- 以下の図のように、「C/C++ Build」オプションを選択します。
- 「Use default build command」チェックボックスをオフにします。
- 「Build command」フィールドの値を「make Eclipse = 1」に置き換えます。
- 「Generate Makefiles automatically」チェックボックスをオフにします。
- 「Build directory」フィールドの値を「${workspace_loc:/Hello_World_New}」に置き換えます。
- 「C/C++ General」オプションを開き、「Preprocessor Include Paths, Macros
etc.」を選択します。以下の図のように、「Preprocessor Include Paths, Macros
etc.」ダイアログボックスが表示されます。
- 「Providers」タブをクリックします。
- 「CDT GCC Build Output Parser」チェックボックスをオンにします。
- 「Compiler command pattern」フィールドの値を「.*gcc」に置き換えます。
- 「Move Up」をクリックして、「CDT GCC Build Output Parser」フィールドをリストの2番目の位置に移動します。
- 「CDT GCC Built-in Compiler Settings Cross ARM」フィールドを選択し、「Move Up」をクリックして、リストの3番目の位置に移動します。
- 「OK」をクリックします。「Select Configurations」ダイアログボックスが再び表示されます。
- 「Next」をクリックします。「Cross GNU Arm Toolchain」ダイアログボックスが表示されます。
- 「Finish」をクリックします。新しいC projectが「Project Explorer」タブに表示されます。
その他の資料
まとめ
評価ボードMAX32660-EVSYSは非常にユニークな設計で、チップの機能評価に適しており、比較的容易に使い始めることができます。Maxim Integratedはマイクロコントローラ製品を数多く取り揃えてはいませんが、MAX32660は非常に特徴的な製品です。このチップは小型パッケージながら、M4コアを採用し、大容量のフラッシュおよびRAMストレージを搭載しているため、非常に高いパフォーマンスを発揮します。Maximの電源管理技術と組み合わせることで、このマイクロコントローラはウェアラブルデバイスやハンドヘルドデバイスをターゲットにしています。ウェアラブルスポーツウォッチなど、消費電力とパフォーマンスの両方に高い要件が求められるアプリケーションにおいても、MAX32660は依然として大きな競争優位性を持っています。
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