MLCC SMTコンデンサの静電容量の測定方法

多くのお客様は、自分で受け取ったコンデンサをテストして静電容量を確認したいと考えています。テストが思ったような結果にならない理由はいくつかあります。

  1. 試験測定が正しく行われていなかったり、指定された測定条件の範囲内で行われていなかったりします。
  2. この試験では、誤ったメータ設定がされていたり、使用している測定器がMLCCを正確に測定する能力を十分に持っていなかったりする可能性があります。
  3. 部品は、リールから取り出したばかりの状態では、記載されている仕様の範囲内に収まらないことがあります。

技術者が測定時に意識すべきことを明確にするために、チェックリストを使った以下のような試験ステップをお勧します。

パート1:測定要件
セラミックコンデンサの正しい値を測定するためには、測定周波数と測定電圧が重要です。ご使用のコンデンサの メーカー、シリーズ のデータシートで、測定周波数、測定電圧をご確認ください。

[おすすめのチェックリスト]

  • 測定周波数:____________________ Hz
  • 測定電圧 :______________________V

パート2:測定装置の要件と設定
ほとんどのマルチメータはコンデンサの測定条件を満たすことができないため、MLCCの静電容量を測定するにはLCRメータを使用するのが一般的です。測定中コンデンサを安定して保持できるよう、測定治具を使用するようにしてください。次に、LCRメータの自動レベルコントロール(ALC)機能をオンにする必要があります。

ALC
図1. ALC を ON にすると、電圧レベル表示に "*"(アスタリスク)マークが表示されます。
[ ヒント:なぜ ALC を ON にする必要があるのか? ここを参照してください ! ]

[おすすめのチェックリスト]

  • 取り付け治具を使用しましたか(はい / いいえ): _______
  • 自動レベルコントロール (ALC) がオンになっていましたか(はい / いいえ):_______

パート3:熱処理(ディエイジング)
クラス2(高誘電率系)のMLCCコンデンサは、その物理的な構造上、時間の経過とともに静電容量が減少します。この性質を静電容量の経時変化といいます。そのため、お客様がお持ちのコンデンサの静電容量が仕様値より低いと思われることがあります。一般的には、150℃(+0/-10℃)で1時間の熱処理(ベーキング)を行い、室温で24時間(±2時間)で冷却すると、容量値は記載の仕様値に戻ります。

静電容量を測定する前に、150℃+0/-10℃で1時間熱処理し、室温中で24±2時間放置して下さい。

[おすすめのチェックリスト]

  • どのクラスのMLCCですか(クラス1- C0G or NP0 / クラス2- C0G、NP0以外):_______
  • 150℃+0/-10℃で1時間の熱処理(ベーキング)を行い、室温中で24±2時間放置しましたか?(はい / いいえ):_______

[ ヒント:なぜクラス2だけ熱処理(ディエイジング)が必要なのですか?ここを参照してください。! ]

こちらのビデオ でも簡潔に解説していますので、ぜひチェックしてください !




オリジナル・ソース(英語)