コンデンサの測定

静電容量と誘電正接を正しく測定するにはどうすればよいですか?

静電容量と誘電正接を正しく測定するための鍵は、容量計の設定にあります。
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大容量コンデンサの場合、電圧設定は非常に重要です。 容量計によっては、テストコンポーネントへの印加電圧が十分でなく、静電容量が低く表示されます。

周波数設定も重要です。 静電容量は周波数によって変化するため、業界標準ではテスト周波数を1MHz、1kHz、または120Hzに指定しています(表1を参照)。

EIAクラスIIコンデンサの掲示変化(エージング現象)の認識も重要です。 クラスII材料の場合、静電容量は時間とともに減少します。 したがって、静電容量が最終熱処理(TOLH)から1000時間経過時に許容範囲内になければならないという業界標準が受け入れられています。

容量範囲に応じて、異なるテスト周波数/電圧で容量を測定する必要があるのはなぜですか?

容量計の周波数設定は、コンポーネントの寄生成分に依存します。 コンポーネントの測定精度を高めるため、測定周波数はコンポーネントの自己共振周波数(SRF)から離して設定されます。 測定者は、容量値に応じて異なる周波数で規格を設定します(表1を参照)。 10uFを超える静電容量はタンタルコンデンサの容量領域だと考えられていました。 したがって、セラミックコンデンサの容量範囲がタンタルコンデンサの範囲に拡大し始めたため、業界ではタンタルコンデンサ測定用の周波数基準をセラミックコンデンサに取り入れました。

印加電圧もコンデンサの静電容量に依存します。 一般に、10uF以下には1.0±0.2 Vrmsの電圧を印加します。 ただし、10uFを超える場合、印加電圧は0.5±0.2 Vrmsです。 大容量コンデンサのインピーダンスは非常に低いため、測定に十分な電流を供給するためには、電源は1.0±0.2 Vrmsで供給すときよりも多くの電流が必要です。 印加電圧を下げることにより、電源は高容量コンデンサを正確に測定するのに十分な電流を供給できるようになります。

静電容量のCpとCsの違いは何ですか?

インピーダンスアナライザは、Cpと呼ばれる並列静電容量またはCsと呼ばれる直列静電容量を測定できます。 回路モデルは、コンデンサの静電容量の値によって決まります(図1を参照)。

Cが小さく、インピーダンスが高い場合、CとRpの並列インピーダンスはRsより著しく高くなります。 したがって、静電容量を測定するためのメータ設定はCpにする必要があります。Cが大きく、インピーダンスが小さい場合、CとRpの並列インピーダンスはそれほど高くなりません。 したがって、静電容量を測定するためのメータ設定にはCsを使用する必要があります。 インピーダンス設定を選択する良い目安は、コンデンサのインピーダンス値が10kΩを超える場合はCpを使用し、10Ω未満の場合はCsを使用することです。

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クオリティファクタ(Q)を正確に測定するにはどうすればよいですか?

クオリティファクタは、コンデンサがどの程度理論的に純粋なコンデンサのように機能するかを計る尺度です。

Q値は誘電正接(DF)の逆数です。

静電容量値が330pF以下の場合は、一般的にQ値が用いられます。330pFを超える場合にはDFが用いられます。

正確なQ値は、個別の誘電容量範囲に対応する精密インダクタンスコイルを使用したQメータから取得できます。 多くの場合、0.5〜330pFの範囲で適切に測定するには、複数のコイルが必要です。 330pFを超えるコンデンサの場合、誘電正接の逆数をとることによってクオリティファクタを計算できます(式1を参照)。

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コンデンサの許容リップル電流とは何ですか?

コンデンサに電圧変動を加えると、これに応じて充放電電流がコンデンサに出入りします。 このコンデンサに出入りする電流をリップル電流と呼びます。 この電流は原理的に直流ではないため、一般的に実効値で表記されます。 コンデンサはリップル電流で発熱するため、上限値を設定する必要があり、この上限値を許容リップル電流と呼びます。

詳細については、MLCCに関するAnother Teaching Momentをご覧ください。

MLCCに関する弊社のBLOGの記事:

コンデンサのクラス:セラミックコンデンサの温度係数について(英語)







オリジナル・ソース(英語)