Digi-Keyのウェブサイトで検索したりメーカーのデータシートで仕様を調べたりすると、静電容量値が小さく、許容誤差が静電容量値の50%~100%(またはそれ以上)のコンデンサに遭遇することがあります。一見すると、妥当だとは思えません。
例として、セラミックコンデンサのカテゴリを選び、「静電容量」フィルタで0.1pFを選択して「フィルタの適用」をクリックし、「許容誤差」フィルタの欄に表示される結果をご覧ください。
[こちらをクリック:https://www.digikey.jp/products/ja/capacitors/ceramic-capacitors/60]
許容誤差の範囲が±0.05pF~±0.5pFとなっていることが分かるでしょう。
[製品索引>コンデンサ>セラミックコンデンサ]
メーカーは設計とプロセスを通じてこれらの静電容量値を達成しようとしており、コンデンサの構造と材料が重要な要素となります。しかし、これらの小さい値の静電容量値を測定(テスト)するのは、最良の環境であっても容易ではなく、また、信頼性がありません。温度や湿度などの環境要因は、どのようなコンデンサにも強い影響を与える可能性があり、小さい静電容量値にはさらに大きな影響を与える可能性があります。試験装置や試験回路にも、浮遊容量や寄生容量が発生する場合があります。
以下に示すように、これらの条件を示唆する試験方法や標準規格が参照されている場合があります。
出典:[こちらをクリック:
https://www.yageo.com/upload/media/product/productsearch/datasheet/mlcc/UPY-High_Q_NP0_16V-to-250V_15.pdf]
メーカーはおそらく、小さい静電容量値では選択する許容誤差によって、実質的に精度の高低が決まると示唆しているのだと思います。これは前述の設計とプロセスによるものです。この「許容誤差範囲」の例を以下に示します。ここでは特定の静電容量レベルで許容誤差の「カットオフ」があります。
出典: [こちらをクリック:
https://media.digikey.com/pdf/Data%20Sheets/Epcos%20PDFs/HQF%20Multilayer%20Ceram.%20Caps..pdf]
この不確かさを考えると、これらの静電容量値と許容誤差を効果的に使うことが不可能に思えるかもしれません。しかし、これは単一の敏感なデバイスで1対1の交換をする場合には当てはまるかもしれません。記載されている静電容量値は設計計算では合理的な参考値として使うことができます。また、継続生産の場合、サンプルを大量のロットから採取し初期の試験回路に適用して整合性を図ることができます。