「エポキシNTCサーミスタ」という用語を調べてみると、エポキシは部品のエポキシコーティングのことを指していることが分かります。サーミスタは温度により抵抗値が変化する抵抗器です。技術面から見れば、あらゆる抵抗はサーミスタであり、温度により抵抗値がわずかに変化しますが、その変化量は非常に小さく測定が困難なものです。サーミスタは温度による抵抗値の変化が大きくなるように作られており、1°Cあたりの変化は100オーム以上になるものもあります。
特定の温度に対応する抵抗値について、下図に示すような表を用いると、温度に対する抵抗値の変化をよく理解することができます。
サーミスタにはNTC(負の温度係数)とPTC(正の温度係数)の2種類があります。一般的には、NTCセンサが温度測定によく使われています。PTCはリセッタブルヒューズとしてよく使われます。温度が高くなると抵抗値が増大するため、電流が増加するにつれてサーミスタが発熱して電流を「抑制」し、回路の保護に役立ちます。
Adafruit Industries LLCの372を例として、製品の詳細を見てみましょう。
372はエポキシでコーティングされた精度1% 10Kのサーミスタで、これで気温や液体の温度を安価に測定することができます。25°Cでの抵抗値は10K(±1%)オームです。抵抗値は暖かくなるにつれて小さくなり、寒くなるにつれて大きくなります。
何か湿ったものを測定する必要はありませんか?
エポキシコーティングのサーミスタはエアコン、水道管、その他湿気の多い場所でよく使われます。ワイヤのPVC(ポリ塩化ビニル)コーティングは105°Cまではいいのですが、それより高温のものには適していません。
サーミスタが125°Cまで温度上昇に対応することができたとしても、ケーブル本体が最大105°C止まりなので、このサーミスタはその温度より熱い液体を測定するには適切ではありません。
372には10K 1%の抵抗も付属しており、校正や抵抗分割に使うことができます。.
372の製品・技術情報:
• 25°Cでの抵抗:10K ±1%
• B25/50:3950 ±1%
• 熱時定数 ≦ 15 秒
• サーミスタの使用温度範囲:-55 °C~125°C
• 28 AWG PVCワイヤ
寸法:
• 直径:0.13インチ/3.3mm
• 長さ:最小18インチ/457mm