フラックスを使用する際の健康管理

フラックスとは、部品のはんだ付け工程で使用される洗浄剤のことで、はんだ付け時に発生する煙のほとんどはフラックスによるものです。その主な目的は、はんだ付けの前に下準備として金属表面を洗浄し、酸化物や不純物を除去することです。

主要な3つのタイプと、数種類のより具体的な用途のフラックスも取り揃えています:
ロジン活性型、水溶性フラックス、洗浄不要フラックスです。以下のリンクからご覧いただけます。
https://www.digikey.jp/short/z1j7hw

ロジンは、はんだフラックスに含まれる樹脂で、健康を害する可能性があります。ロジンにさらされると、目、喉、肺の炎症、鼻血、頭痛などを引き起こす可能性があります。繰り返しの暴露は、呼吸器や皮膚の炎症を引き起こし、喘息を引き起こしたり、悪化させたりする可能性があります。 したがって、できるだけ暴露しないようにすることが最善の予防策です。可能な限りロジンフリー、鉛フリーのはんだを使用してください。

水溶性フラックスや洗浄不要フラックスは、有機アルコールや酸が多く含まれていますが、はんだ付けを行う際には、常に蒸気や煙が発生するため、安全にはんだ付けを行う必要があります。 洗浄不要フラックスの中には、吸入するとよくないメタノールなどの化学物質が含まれているものもありますので、私は洗浄不要フラックスの方が「安全」という印象を与えたくありません。前述のいずれかのタイプで作業を行う際には、必ず製品安全データシートを読み、暴露ガイドラインに従ってください。

作業は常に換気の良い場所で行うか、可能であれば煙霧排出システムを使用してください。作業時は、頭が蒸気や煙の真上にこないように横にずらして、蒸気や煙を吸い込まないようにしてください。Digi-Keyでは、煙霧排出器を豊富に取り揃えております。
https://www.digikey.jp/short/z1j7ft



PaulHutch

この宣伝文句を見たことがないので、情報源を見てみたいのですが。



Zach_2893 DigiKey Employee

こんにちは、Paul さん。正直なところ、これは、ロジンタイプのフラックスと他のフラックスとの比較や危険性を調べる際に複数のサイトの内容から判断した一般的な意見です。きっと他のタイプにもロジンが含まれているので、その点で、製品全体を比較しようとするのではなく、使用している特定のはんだやフラックスを個別に見る必要があります。



Zach_2893 DigiKey Employee

はい、その通りです。誤解を招くようなこと書いてしまいました。すみません。Kristofさん、うまく説明してくれてありがとう。



Kristof_2649 DigiKey Employee

Zachさん、ありがとう。

また、ベンチの上にファンだけを置いて横風にするのもお勧めできません。しかしながら、加工対象物に前かがみになって、直接煙が顔にあたるような状態で作業をするよりは確かに良いですが。

横から風をあてるファンは、スペースの広さに依存します。専門的にアセンブリを行っている従事者など、短時間であってもはんだ付けをする人にはお勧めできません。

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Zach_2893 DigiKey Employee

私もそう思います。 私が言いたかったのは、何もないよりはマシといった感じです。もちろん、ヒューム排出機が理想的な方法でしょう。



PaulHutch DigiKey Employee

@Zach_2893さん、@Kristof_2649さん、お二人とも素晴らしいフォローアップ投稿、ありがとうございます。



Zach_2893 DigiKey Employee

Paulさん、私たちは喜んでサポートします。

誤解のないように言うと自分ではんだ付けをしないように、誘導するための脅しではないということです。当社では、はんだやフラックスを使用する際の健康上の懸念について多くのご依頼をいただいておりますので、作業中の危険性や安全な作業方法を認知していただくことを目的としています。

はんだ付け/フラックスの蒸気が悪化させてしまう喘息のような持病を持つユーザーがいる可能性は高いと思います。または、1日8時間以上その蒸気にさらされる仕事をしていたら、明らかにもっとしっかりとした予防策を講じる必要があります。実際に病気になってしまう人は、現実的にはほんの一握りの人だと思いますが、個人的に状況をお伺いすることはできませんので、策を講じるかどうかは作業する人々の判断によります。ただ、このような製品を使用する際には、必ずMSDS(製品安全データシート)を読み、業務ガイドラインに従ってください。Digi-Keyでは取り扱い製品に関するMSDSやその他の安全データシートの検索を喜んでお手伝いいたします。

また、よくある誤解として鉛フリーのはんだを使用していると安全だ、というのがあります。これは真実ではありません。
つまり、有鉛はんだでも鉛フリーはんだでもフラックスの蒸気は有害であり、鉛フリーだからといって大丈夫だと思い込んではいけません。繰り返しになりますが、作業に使う製品のMSDSは必ず参照してください。

最善の予防策は、特に日常的にはんだ付けやリワークを行う場合は、吸い込む蒸気の量を制限することです。前の投稿でも述べたように、作業時は頭を加工対象物の真上ではなく横にそらして、蒸気や煙を吸い込まないようにしてください。
換気の良い場所で、安価な卓上ヒューム排出機 (https://www.digikey.jp/short/z1j7nj) と前述の方法とを組み合わせて実施することが、短期でできる良い方法です。コードレスはんだごてを使って外で作業するとさらに良いですし、 (https://www.digikey.jp/short/z1j70v) もしくは延長コードを使用して作業できるなら理想的です。

もしそのようにできない場合、または常にはんだ付けやリワークを行う場合は、ZEROSMOGELKIT1N-NDのような、より精巧な煙霧排出機を使用することをお勧めします。 https://www.digikey.jp/short/z1j71h

もし自作(DIY)が好きな方なら、多少の創造性ときわめて基本的なコンポーネントで作ることが可能です。以下にいくつかの例をご紹介します。全体の設計までは取り上げませんが、当社は広範なDCファンおよび電源を取りそろえています。以下は12Vのオプションを例に挙げています:
DC ファン https://www.digikey.jp/short/z1jtq8
AC/DC 電源 https://www.digikey.jp/short/z1jtpq

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exaust fan

お読みいただきありがとうございます



PaulHutch

ご参考までに、私ははんだ付けの経験が50年以上あり、電子機器製造業に40年以上従事し、小さなメーカーで30年以上チーフエンジニアをしています。

私が8歳の頃、父が初めて半田付けを教えてくれたときには、タバコには健康への警告文はなく、鉛のパイプは普通に使われ、含鉛塗料も使用されていました(私は最終的に6年前、45年のニコチン中毒を断ちました)。70~80年代の製造現場では、組み立て作業員は鉛ロジン芯ハンダを使用していましたが、予防策は何も講じられていませんでした。私たちは蒸気の排出などせず、よく煙草を吸いながらハンダ付けをしていました。その数十年の間、たくさんの小規模な組立作業所を訪問しましたが、業界全般にわたって極めてそれは一般的であることが分かりました。

Kester がはんだロールに「使用後は手を洗おう」という警告ラベルを付けていたことに気付いてから、私たちはやり方を変えました。より多くの鉛を摂取しないように、はんだ付け中にタバコを吸わなくなりました。その代わりに、はんだ付けをしたあと手を洗い、危険な炭化水素溶剤を使ってフラックスをきれいにしながら煙草に火をつけていました。その頃に育った私たちはみんな、たくさん鉛にさらされていました。大部分は有鉛ガソリンによる鉛を含んだ空気を吸っていたことによるものでした。したがって、はんだを取り扱いながら喫煙や飲食を同時にして摂取した鉛の量は、それに比べれば取るに足らないものでした。

はんだから吸い込んだ ロジン の煙は、キャンプの焚き火で白松を燃やしているときに吸い込んだ量に比べれば、取るに足らないものでした。ですから、小さなメーカーが排気システムを取り入れ、一般的に使用するようになるのは90年代まではなかったです。

そうは言っても、科学を否定する信者だけが、昔の電子アセンブリのやり方に戻ろうと主張するでしょう。

私のルール:

  • あらゆる種類のタバコ製品を使用しないでください
  • 鉛を取り扱ったあとは、飲食の前に必ず手を洗ってください
  • はんだ付けの際には換気をよくし、キャンプファイヤーの煙を吸わないようにしてください
  • 換気を良くしてより安全な溶剤を使用してください


Ontarles

はんだ付けの際は換気に注意しなければなりません!重篤な肺炎の原因になります!
私の父は、換気の悪い部屋でのはんだ付けが原因で、慢性肺炎になってしまいました。




オリジナル・ソース(英語)