はんだ付けにおけるフラックス塗布と洗浄の考慮点

フラックス塗布は、はんだ付けの際に考慮すべき主要な項目の1つです。フラックスは、はんだ付け工程ではんだとともに使用されます。適切なはんだ付けを行うには、適切なフラックスを選び、正しく使用することが重要です。フラックスによって、デバイス端子やPCBパッドから汚染物質を除去する活性化や能力の程度に差があります。

フラックスの主な特性は溶解性です。フラックスの溶解性によって、フラックスを除去するために使用する洗浄工程が決まります。かつて、多くの回路組立施設では、活性な非水溶性フラックスが使用されていました。活性フラックスは、デバイスのリードや端子の表面酸化物を除去し、濡れ性に優れた均一で滑らかなはんだ接合を形成することができます。しかし、活性フラックスには極めて高い腐食性があります。活性フラックスが完全に除去されないと、はんだ接合部はより腐食しやすくなり、デバイスの長期信頼性に影響します。したがって、PCBから活性フラックスを除去しなければなりません。この除去工程をクリーニングまたは洗浄と呼びます。フロンやトリクロロエタンなど、フラックスを除去する効果の高い材料の多くは、数年前に環境法の対象となり、現在では環境意識の高い国では違法となっています。こうした懸念の結果、2つのトレンドが生まれました。

  1. 回路組立業者の中には、低活性フラックスの使用を検討する者もいます。今日では、活性レベルが低く、PCBから除去する必要のない「無洗浄」「リーブオン(leave-on)」フラックスと呼ばれるタイプのフラックスがあります。しかし、低活性フラックスは、しばしば濡れ性の問題につながります。濡れ性は、はんだがデバイスのリードまたは端子をプリント回路基板にどれだけうまく接続できるかを示す尺度です(図1参照)。

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図1. はんだ接合部の良好な濡れ性

低活性フラックスのプロセスにおける2つの重要な要因は、デバイスのリードまたは端子の清浄度とそれらのメッキ厚さです。デバイスの端子が十分に清浄でない場合、はんだはじきが発生する可能性があります。デバイスのメッキ厚が不十分な場合、端子ははんだ濡れ不良の原因となります。

  • はんだはじき: 活性レベルの低いフラックスは、デバイスのリードや端子から酸化物や汚染物質を除去するのに、活性フラックスほど効果的ではありません。はんだはじきは、デバイスのパッドやリードから汚染物質が適切に除去されない場合に発生します。はんだはじきは、接合面上に不規則に分散したはんだ液滴が現れるのが特徴で、多くは薄いはんだ層で覆われています。

  • はんだ濡れ不良: メッキ厚が薄すぎると、はんだがデバイスのリードや端子に付着しないことがあります。この問題は、はんだがパッドのビアをリードとブリッジする必要があるため、特にアキシャルリードデバイスに当てはまります(図2のように)。

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図2. はんだ接合部の非濡れ性

  1. 低活性フラックスには上記のような問題があるため、エレクトロニクス業界では水溶性の高活性フラックスを開発してきました。これらの新しいフラックスは、高活性フラックスの性能と、洗浄が容易な水溶性の機能を備えています。

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オリジナル・ソース(English)