セラミックコンデンサの温度係数による分類

セラミックコンデンサは、使用する誘電体に基づいて大きく4つのクラスに分類されます。セラミックコンデンサには4つのクラスがありますが、クラス3とクラス4のコンデンサは広く普及しておらず、規格化もされていないため、今日はクラス1とクラス2の違いを見ていきます。

クラス1のコンデンサには以下のような特徴があります。

  • 線形温度係数: 静電容量は温度に対し線形に変化します
  • 電圧依存性なし:静電容量は印加電圧に依存しません
  • 経時変化なし:製造に使用される常誘電体により、大幅な経時劣化プロセスは発生しません
  • 損失なし:クラス2のコンデンサと比較して、電気的損失が非常に小さい
  • 高Qフィルタに使用:上記の特性から、共振回路、PLL、発振器などのアプリケーションに使用されています
  • 高い安定性と精度

EIA RS-198規格に準拠して使用されている誘電体を3桁で表示しています。

例:C0G



クラス1コンデンサは、上記の仕様であり、-55°C~+125°Cの固定温度範囲で動作します。

クラス2のコンデンサには以下のような特徴があります。

  • 非線形温度係数:静電容量は温度に対し非線形に変化します
  • 電圧依存性が大きい:静電容量は印加電圧に大きく依存します
  • 経時変化あり:製造に使用されている強誘電体材料のため、大きく経時変化の影響を受けます
  • 高損失: クラス1のコンデンサと比較して、電気的損失が著しく大きい
  • 高誘電率:高い誘電率により、体積効率が高くなります
  • 高い静電容量値:高い誘電率により、0201, 0402, 0603のような小型のデバイスで大容量値を達成することができます
  • 平滑化アプリケーションで使用:上記の特性により、バイパス、カップリング、デカップリングのようなアプリケーションで使用されます
  • 低い安定性と精度

EIA RS-198規格に準拠して使用されている誘電体を3桁で表示しています。

例:X7R



上記の表によりますと、

メーカーが言及するX7Rコンデンサは、–55°C~+125°C の温度で動作でき、コンデンサの静電容量が指定された公称値から±15%以上変化しないことを意味します。

同様に、メーカーが言及するY5Vコンデンサは、-30°C~+85°Cの温度で動作することができ、コンデンサの静電容量がその公称値から22%以上増加したり、82%以上減少しないことを意味します。




オリジナル・ソース(英語)