高電圧ダイオードのチェック方法は?

ここでは、高電圧ダイオードの良否を簡単に確認・検証する方法をご紹介します。今回は電子レンジに使用されていたHVR-1X-3をチェックします。まず、HVR-1X-3の参考となるデータシートを探してみましょう。Googleで検索してみると、alldatasheetのリンクで、この部品が12,000Vのダイオードで、定格500mAと書かれている資料を見つけました。

DMMのダイオードテスト機能では、高電圧ダイオードを正確にテストすることができません。基本的に、高電圧ダイオードは低電圧ダイオードを複数個直列に配置して動作電圧を高めたものです。これらは直列に接続されているので、DMMで従来の単一ダイオードのテストをしたときのように、0.6ボルトの順方向電圧を確認することができません。そこで、ダイオードをテストする別の方法を考えなければなりません。

そのためには、電流制限を調整できる可変電源(0~24Vのような一般的なベンチ電源であれば、ほとんどの高電圧ダイオードをテストできます)が必要です。

まず最初に、順バイアス、つまり問題のダイオードをオンにすることを試みます。 電源では、まず電流制限を100mAに設定します(これは500mAのダイオードなので、それ以下にしたいということを覚えておいてください)。次に、電源の電圧を完全に下げます。下図のようにダイオードを接続してください。電源が1つしか表示できない場合は、電流を表示するようにメータを設定します。さて今度は、電流を見ながらゆっくりと電圧を上げていきます。 ダイオードが正常であれば、ある時点で電流が100mAに上昇し、その値を維持することが確認できます(電源の電流制限が働いています)。電流が100mAに制限された時点で、ダイオードは順方向導通、つまりオンとなります。ダイオードの定格電圧にもよりますが、電源は約6ボルト、12ボルト、あるいはそれ以上で表示されることになります。 ダイオードを繋いだ時にすぐに電流が流れる(電源電圧を上げようとすると基本的に電源は0ボルトになります)場合は、ショートしている可能性があります。

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次に、ダイオードの逆バイアス状態を確認します。電源の電圧を下げます。今度は、ダイオードのリード線への接続方法を「逆」にします。もう一度、電源の電圧をゆっくりと上げていきます。今度は電圧を最大値まで上げたときに、電源に電流が流れることはないはずです。これは、逆バイアス状態において、ダイオードにリークが無いことを示しています。

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これにより、ほとんどの高電圧ダイオードのテストが迅速かつ容易になり、また、テストをするための特別な装置も必要ありません。ただ、このテストをするときは、ダイオードに流れる電流を適宜制限することを忘れないでください。




オリジナル・ソース(英語)