図の向き:接続時の注意

モジュラーデバイス(直接接続用のピンやコネクタのインターフェースを持つ単体デバイスやセンサなど)の場合、ピン配列の表記方法はメーカーごとに異なり、図が必ずしもピンの「物理レイアウト」と一致しないことがあります。3次元のレイアウトと2次元の図を比較すると、それらに連続性が無く、どちらかのピンの位置が入れ替わっているように見えることがあるのです。このような場合、グランドに電圧を供給し、電源ピンをグランドにすることになり、部品がショートする可能性が高くなります。

ここでは、そのようなことが起こりうる部品の一例をご紹介します。SHARP/Socleの反射型距離センサ1855-1000-ND(メーカー品番GP2A200LCS0F)です。2次元のピン配置と電気部品図は、所期の3次元のレイアウトに一致するように反転させたり回転させたりできますが、実際の3次元のピン配置に一致するように必ずしも同じ向きで描かれているわけではない、ということを覚えておくことが重要です。このデータシートの2ページ目には、1、2、3番ピンが実際にどこにあるのか、各面の投影法で描かれた2次元図面が重要な意味を持っています。「投影図」をご存じない方のために、ちょっとした図面をご紹介します。



この図面は、コンピュータ支援設計では一般的なもので、同じ部品を複数の視点から見ることができます。この場合、本当のピン配置を3次元的な感覚で示している「正面図」が最も重要です。これは、1番、2番、3番ピンの位置が、部品の回転によって決まっているため、2次元の電気部品図の中でその位置関係を説明するためのものです。

メーカーとしては、明確なピン位置への言及は1つでいいと考えていました。2ページ目と5ページ目の2次元の図面には何の問題もなく、ただ、反転や回転をしないと寸法図に一致しない向きになっています。これは電子部品の図表ではよくある一般的な方法で、しばしば混乱の原因となります。メーカーによっては、図面を何度も参照することで、誤解を防ぐマルチリファレンスを行っているところもあります。しかし、2次元の電気部品図を何らかの方法で回転または反転させたときにピンの並びが一致することが重要であり、それが不可能な場合は図に誤りがあることになります。




オリジナル・ソース(英語)