モジュラーコネクタを理解する

このRJシステム(Registered Jacks)は、1960年代初期登場以来、電気通信やデータ通信の用途で広く普及しており、1976年にFCCによって配線パターン、信号の仕様、コネクタ自体の物理的構造が標準化されたRJシステムとして分類されました。
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一般的なタイプ

用途に応じて、さまざまなタイプのモジュラーコネクタがあります。ここでは、代表的なタイプとその仕様を紹介します。

  • RJ10 – 電話機のハンドセット用のシンプルな4P4C角型コネクタ
  • RJ11 – 有線電話用の代表的な6P4Cで、モデムを電話回線に接続するための6P2C、6P4C、6P6Cのいずれかの角型コネクタ
  • RJ12 – RJ11と同じサイズの6P6Cコネクタ
  • DEC MMP/MMJ – Digital Equipment Corporationの機器で使用されているRJ11/12コネクタの小型版
  • RJ13 – RJ12と同様に6P4Cだが、ラインサーキットの後方で接続
  • RJ14 – 2台の電話またはモデムを接続するための2回線付き6P4C
  • RJ21 – 最大50個のコンタクトを持つモジュラーコネクタで、大規模な電話システムで最大25の回路を接続するのに使用
  • RJ22 – 形状はRJ11と似た4P4Cコネクタで、一般的にハンドセットの接続に使用
  • RJ25 – 6RJ11と同様の6P6Cコネクタで、3台のデバイスを接続可能
  • RJ45 – 8P8Cまたは8P10Cのコネクタで、Ethernet LAN、WAN、WiFiルータ、サーバ、モデム、スマートテレビ、コンピュータ、ゲーム機、産業/ファクトリオートメーション、VOIP(Voice Over Internet Protocol)システム、IoT、マイクロコントローラ、ロボティクスに使用
  • RJ48 – RJ45と同様の8P8Cコネクタで、T1データライン用のシールドケーブルへの接続用

モジュラーコネクタには、2個、4個、6個、8個、または10個のコンタクト用のポジションがありますが、これらは常に埋まっているわけではありません。たとえば、RJ11電話用コネクタは通常4つまたは6つ、Ethernet(RJ45)コネクタは8つの接続部があります(8P8C)。

6P2Cコネクタには6極2芯、電話機の受話器コードに使われる4P4Cコネクタは4極4芯というように、コネクタの配線は標準的なネーミングで定義されています。ほとんどのコンタクトは信号用に使用されますが、RJコネクタのコンタクトは低電圧のACまたはDC電源を供給するために使用できます。

モジュラーコネクタでは、次のような追加機能を指定することができます。

  • シールド:電磁干渉(EMI) や無線周波数干渉(RFI) から長いケーブルを保護するためのものです。シールド付きのRJ45およびRJ48コネクタは、ケーブルのシールド編組の接地接続を、そのままコネクタが取り付けられたパネルに接続できるようにするもので、広く利用されています。
  • キーイング :認定されたRJ45コネクタは、コネクタにタブを使用することで、コネクタが間違った方法でソケットに挿入されるのを防ぎます。 この機能は一般的に、通常の8P8Cコネクタにはありません。カラーコーディングすることで、特定のネットワーク接続ポイントにどのケーブルを使用するかを示すことができます。
  • 実装オプション:パネルマウント、基板実装、スルーホール、プリント基板への面実装などが一般的に用意されています。モジュラージャックには、垂直方向と水平方向のものがあります。
  • ディスプレイおよびインジケータ機能:カラーのステータスLED表示などです。
  • 高信頼性のバリエーション:EMI/RFIシールド、特殊キーイング、保護ブーツ、より多くの挿入/取り外しサイクルに耐える堅牢なパーツなどがあります。
  • 磁気回路統合ジャック,:xBASE-TネットワークのEMIシールドと接続信頼性を向上させます。ジャックに内蔵しているコイル部品により、過渡現象からの保護、絶縁の提供、信号バランス、インピーダンスマッチングを行います。

磁気回路は、二通りの方法でEthernet設計に組み込むことができます。 第一の選択肢は、PHY(Ethernet実装)チップとコネクタジャックの間の回路基板に磁気モジュールを追加することです。もう1つは、ハウジングに磁気回路が統合(内蔵)されたRJ45コネクタを使用することです。

磁気モジュールは、統合デバイスよりも安価で、静電気放電(ESD)保護に優れている傾向があります。磁気統合型RJ45コネクタは、より優れたEMIシールドとより信頼性の高い接続を提供します。どちらの方法にも長所と欠点がありますが、磁気回路は10/100/1000 Base-TネットワークのEthernet仕様の一部であるため、設計に有線Ethernetを追加する場合は考慮する必要があります。
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PoE(Power Over Ethernet)とRJ45

RJ45は、8P8Cコネクタの一種です。8P8CコネクタをRJ45ソケットに差し込むことはできますが、真のRJ45コネクタには、不適切な配線接続を避けるため1方向にしかデバイスを挿入できないタブがあるので、逆にすることはできません。

また、RJ45のようなモジュラーコネクタは、接続された機器に信号と電力の両方を中継する機能を備えています。PoE(Power Over Ethernet)は、Ethernetケーブルの未使用ツイストペアを利用して機器に直流電力を供給する技術で、別途の電源配線が不要になります。PoEは、IEEEの標準規格 802.3afと、電力供給能力を向上させた後継バージョン規格によって規定されています。次のような様々なバージョンがあります。

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PoEは、電気ケーブルやコンセント、工事費などを別途用意する必要がないため、コスト削減につながることから、急速に普及が進んでいます。また、コンセントの近くに機器を設置する必要がないため、柔軟な対応が可能です。また、安全性、信頼性、拡張性にも配慮して設計されています。

RJ45コネクタのピン配置

RJ45のピン配置規格には、T568AとT568Bの2種類があります。これらはコネクタ内の8本の配線を定義するもので、それぞれ独自の配色があり、それに従う必要があります。T568A規格は、旧来の配線との後方互換性があります。T568B規格は、信号の絶縁性とノイズ保護に優れています。Ethernetネットワークではどちらを使っても構いません。

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使用するタイプは、個々の設計ニーズや、ストレートスルーケーブルとクロスオーバーケーブルのどちらを使用するかによって異なります。ストレートスルー(パッチケーブル)は、両端の配線規格が同じです。クロスオーバーケーブルは、一方の端がT568A接続、もう一方がT568B接続で、同じ種類の機器を接続するために使用されます。

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