質問:
パワートランジスタにシリコーンを使用しています。リレーに影響しますか?
回答:
シリコーンガスがリレー内部に侵入すると、接触不良の原因となります。
解説:
シリコーンによる接触不良発生メカニズム
- シリコーンガス雰囲気中で使用。
- リレーのケースや勘合隙間よりリレー内部へシリコーンガスが侵入(プラスチックシール形でもガスは侵入します)。
- 接点負荷開閉時のアークエネルギーにより、有機シリコン(Si)が酸化シリコン(SiO2)となって接触ポイントに付着。
- 開閉回数と共に酸化シリコンが堆積(皮膜の層が増)して、接触抵抗が増大しながら接触不良に至ります。
パワートランジスタのシリコーン使用について
パワートランジスタと放熱板(ヒートシンク)との間にシリコーングリスを使用されることがありますが、パワートランジスタ(Tr)からの発熱によりシリコーングリスからシリコーンガスが発生します。
シリコーングリスに含まれるシリコーンの含有量や、リレーで開閉される負荷の大小により、リレーが接触障害に至る期間が変化します。
微小負荷開閉においては、生成されたシリコーン皮膜を破壊できず早期に接触障害に至り、パワー開閉においては、シリコーン被膜をアークで破壊するので長期の中で接触障害に至る原因になります。
リレーの不具合事例や対策については、The 解決[一般リレー編]をご参照ください。
ワンポイントアドバイス
シリコーングリス以外にも有機シリコンを含有してるボンドなどの使用はしないでください。シリコーン非含有品をご使用ください。
DigiKeyのウェブサイトでこの製品ラインをご覧になるには、以下のリンクをクリックしてください。
リレー | DigiKey Electronics
この「よくある質問」はOmronから提供されています。
オリジナルのFAQをご覧になるには、以下のリンクをクリックしてください。
https://components.omron.com/jp-ja/faq/relays/FAQE10098