質問:
リレーが使用中に唸ります。原因は何が考えられますか?
回答:
唸り(異音)については、ACリレー、DCリレーで想定される原因が異なります。 詳細は【解説】をご参照ください。
解説:
代表的な原因
対策
- 交換をご検討ください。
- ダイオードによる全波整流回路と直流コイルリレーをご検討ください。
- リレーの定格にあった電圧を印加してください。
補足説明
- リレーに内蔵している くま取りコイルの不具合
一般的な交流操作のリレーは、うなり防止のためにくま取りコイルを設けていますが、鉄心と鉄片の吸着面に微量の異物 (ゴミなど)が挟まった場合などで吸着する面のバランスが崩れると、唸りを生じてしまいます。 - インバータ電源などの高い周波数の電源を使用している。
高い周波数を多く含む電源でリレーを駆動すると、鉄芯・鉄片・ヨークなど、磁路の鉄損が増加し、温度が異常に上昇します。 また、くま取りコイルは50~60Hzで最適となる様に設計されていますが、高い周波数成分によりその特性が変化し、唸りが生じる場合があります。 - 印加電圧が低い。(ACコイルのみ)
印加電圧が低く唸りが発生するのは、ACコイルの場合です。これは、ACが脈流であり電源周波数に同期して電圧が0(ゼロ)になる点があるためです。リレーコイルに印加する電圧を徐々に上げていくと、動作電圧付近で唸り(バイブレーション)が発生します。 - DCコイルのリレーにAC電源を印加した。
DCコイルには、くま取りコイルがないため、ACの電圧変化に追従して唸りが発生します。
また、ACを全波整流してDC化してお使いの場合でも、リップル率が大きいと、唸りが発生することがあります。
ACコイルには、テッシンの磁極面に溝を設け、磁極面の一方にくま取りコイルを装着しています。くま取りコイルは銅リングとも呼ばれ、くま取りされないテッシンに流れる磁束による吸引力と、くま取りされたテッシンに流れる磁束による吸引力の位相をずらすことができ、この合成吸引力により、電源周波数に同期して電圧が0になるACにおいても、適正なコイル電圧が印加されていれば唸りは生じません。(ACコイルのリレーにDC電源を印加しても唸りは生じません。ただし、コイル電流が増大します。) - ICの出力(コンパレータ)でリレーを駆動する出力パルス不良
温度検出し設定温度との比較で出力するIC(コンパレータ)では、オフセット幅が必要です。
オフセット(ICのON/OFFの幅)がない場合、ICの出力がON/OFFの連続したパルスが出力されることでリレーが唸る現象が発生します。
*オフセットを必ず持たせた回路にしてください。
- 落下による破損
落下などの強い衝撃を受けると、コイル部の鉄芯・ヨークが変形したり倒れたりするため、鉄芯と鉄片の吸着精度に歪みが発生し、僅かなギャップ(間隙)を生じて、コイルに電圧を印加した際にうなり(異音)バイブレーションが発生します。(DCコイルの場合、唸り・バイブレーションは発生しません。)
リレーの不具合事例や対策については、The 解決[一般リレー編]をご参照ください。
ワンポイントアドバイス
リレーコイルの定格に見合った電圧波形であることを確認の上ご使用ください。
DigiKeyのウェブサイトでこの製品ラインをご覧になるには、以下のリンクをクリックしてください。
リレー | DigiKey Electronics
この「よくある質問」はOmronから提供されています。
オリジナルのFAQをご覧になるには、以下のリンクをクリックしてください。
https://components.omron.com/jp-ja/faq/relays/FAQE10092