リレーのコイルが焼けました。原因は何でしょうか?

質問:

リレーのコイルが焼けました。原因は何でしょうか?

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回答:

リレーのコイルへの過電圧印加が推測されます。リレーのコイルに過電圧が印加されると、リレーコイルが異常発熱しコイルの芯線がレアショートすることにより断線に至る場合があります。
外観的には、軽度の場合はコイル線表面の変色やコイル外装テープの溶け程度ですが、ひどいものはコイル線の被覆の溶融、コイル巻線のスプールの溶融・変形やリレー外観上でのケース膨れに至ります。

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解説:

コイルのレアショート
リレーコイルに通電すると、ジュール熱でコイル線が発熱して温度が上昇します。 過電圧が印加されると過度に発熱し被覆(一般的にポリウレタン)が溶融してコイル芯線同士がショートするためにコイル抵抗が低下します。 コイル抵抗が低下すると、コイル線に流れる電流が増大するのでさらに発熱が増し、被覆の溶融、芯線のショート、コイル抵抗の低下、発熱の増大というサイクルが加速度的に進み、最終的にはコイル線が焼き切れて溶断に至ります。
各リレーにはコイルの「最大許容電圧」が決められていますのでこれを超える電圧が印加されると、異常発熱、被覆の溶融を生じてレアショートに至ります。

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(参考)ポリウレタン被覆銅線の耐熱温度
リレーに一般的に使用されているポリウレタン被覆銅線の耐熱温度は120℃であり、リレーコイルの定格電圧通電による発熱は、これ以下となるように設計されています。

リレーの不具合事例や対策については、The 解決[一般リレー編]をご参照ください。

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ワンポイントアドバイス

  • リレーの駆動回路で、回路故障によりリレーのコイルに異常な過電圧が印加されないようにしてください。
  • リレーを開閉動作しないで長期連続通電するような回路(異常発生時のみ復帰しb側接点で警報を発するような非常灯警報設備、異常点検回路など)で使用する場合には、無励磁となる設計が望まれます。
  • 連続通電が必要なリレーの駆動回路、シーケンス回路においては、ラッチングリレーの使用もご検討ください。

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リレー | DigiKey Electronics


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