大電流(短絡電流)通電するとリレーはどうなる?

リレーに短絡電流のような大電流が流れた場合のリレーの振る舞いについて紹介します。

電流の大きさに応じて、大きくは3つの現象が発生します。




<ローレンツ力による電磁反発>





リレーに電流が流れると、電流の大きさに比例して発生するローレンツ力により、接点間に反発しあう力(電磁反発力Fa)が働きます。接点は点での接触となるため下図のように接点面に電流が流れます。

<接点面に発生する電磁反発力>

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接点は点での接触のため、接点間には逆向きの電流が流れ、電磁反発力が働く。



image 電磁反発力(Fa)< 接圧(Fb)の場合


バネの力によって、リレー接点にはお互いを押し付けあう力(接圧Fb)が働いています。接圧(Fb)が十分に大きい場合、電磁反発力(Fa)による影響がなく接点溶着が発生しません。問題なく接点乖離ができます。




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image 電磁反発力(Fa)≦ 接圧(Fb)の場合


電磁反発力(Fa)が接点を押し付ける力(Fb)を超えない領域では、接点が離れることはありません。しかし、接点同士を押し付け合う力は、Faの発生により小さくなってしまいます。これにより、接点接触部の接触抵抗が大きくなることで、そこに発生するジュール熱が大きくなり、接点が溶融し、溶着が発生する可能性があります。

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image 電磁反発力(Fa)> 接圧(Fb)の場合


さらに、更に電流が大きくなり、接圧(Fb)を電磁反発力(Fa)が越えると接点が離れてしまう。その過程で接点間にアークが発生し、そのアーク熱により接点および接点部周辺が溶融し、焼損(発煙・発火)、場合によっては急速な加熱により爆発が発生する可能性がある。



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このように、大電流通電時にはその電流の大きさ、時間によってはリレーを破壊してしまうこともあります。

実際の負荷条件において評価の上、ご採用のご検討をお願いします。


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高容量パワーリレー使用時の不明点をわかりやすく解説


セクション8/9


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高容量パワーリレー使用時の「わからない」に技術のプロがわかりやすく解説
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