リレーは2個直列・並列に接続してもいいの?

オムロンでは、原則としてリレーを電気的に直列または並列に接続する使い方を推奨しておりません
( G5PZ-X を除く)。
しかしながら、そのような使い方をされた場合の懸念点をご紹介します。


image リレーを直列に接続した場合の分圧について


DC負荷でご使用される場合、リレーを直列に接続すると電圧が2分されるので、リレー1個の時よりも大きな電圧を遮断できることがあります。例えば、定格開閉電圧が200V DC/20Aのリレーを2個直列に接続した場合、400V DC/20Aの遮断が可能な場合があります。 G5PZ-X の場合は、このような使用方法を推奨可能です。(詳細は個別のデータシートを参照ください。)

G5PZ-X の接続例

リレーそれぞれにDC200Vずつ、合計DC400V
までの遮断が可能                                             





digikey.comで G5PZ-X シリーズの利用可能な製品を見るには、このリンクをクリックしてください。





image 直列接続時の注意点


直列接続したリレーの復帰時間がバラつく場合、または片側のリレーが破損(溶着)している場合、瞬間的に1つのリレーにアークが集中し、リレーの故障、破損に繋がる場合があります。

理想状態では、リレー①と②同時に動作
するので、①と②にシステムの1/2電圧が
印加される





リレー①が②よりも先に動作した場合
①に全電圧が印加された状態でアークが
発生する
V①>V②







image リレーを並列に接続した場合の分流について


リレーを並列に接続することにより、より大電流を通電することができる場合があります。例えば、200Aを通電できるリレーを2個並列に接続することで、400Aの通電ができることがあります。

しかし、オムロンでは並列使用を推奨しておりません。


理想状態では、リレー①と②同時に動作するので、①と②に流れる電流は等しくなります。







image 並列接続時の注意点


もし片方のリレーが故障し通電できなくなった場合、もう片方のリレーにより多くの電流が流れ、結果、リレーの故障に繋がります。
また、各リレーの接触抵抗は完全に同一ではないため、接触抵抗が低いリレーに電流が集中し、同様にリレーの故障に繋がります。

これを防ぐために、回路電流に比べて余裕のある定格のリレーを使用いただく、または各リレーの電流線に電流センサーやヒューズを取り付けることにより過電流を防止することが必要になります。

また、負荷遮断時には必ずどちらか一つのリレーに遮断アークが集中し故障のリスクが高いため、遮断時には無負荷(0A)、もくしは1つのリレーの定格電流内に収まるような制御が必要です。

なお、本対策例は、オムロンが動作を保証するものではなく、また推奨する内容ではありません。

理想状態では、リレー①と②同時に動作するので、①と②に流れる電流は等しくなります。






しかし、片方のリレーの故障や、接触抵抗の差異により、片側のリレーに電流が集中する危険性があります。





:sparkles: 対策例

1)電流容量に余裕のあるリレーを選択


2)電流バランス用抵抗を挿入

抵抗による損失(発熱)が課題



Block

このFAQのタイトルページに戻る
高容量パワーリレー使用時の不明点をわかりやすく解説


セクション7/9


この「よくある質問」はOmronから提供されています。




オリジナルのFAQをご覧になるには、以下のリンクをクリックしてください。

高容量パワーリレー使用時の「わからない」に技術のプロがわかりやすく解説
| FAQ | オムロン電子部品サイト - Japan




オリジナル・ソース(English)