ステッピングモータ駆動の基礎 - モータの構造と動作原理

ステッピングモータ は、数多くのオートメーション機器で重要な役割を果たしています。高い信頼性があり、オープンループ制御での高精度位置決めを可能にし、低速で高トルクを提供するため、製造、ヘルスケア、3D印刷、ロボットなどの産業で広く使用されています。

ステッピングモータの構造

ステッピングモータは、主に磁気ローターとステータコイルで構成されています。一般的なハイブリッド2相ステッピングモータは、2つの磁気カップを備えたローターを特徴とし、各カップは通常、極性が反対で互いにオフセットした50個の歯を備えています。ステータは、ローターに巻かれた2つのコイルで構成されています。この構造設計により、電磁誘導の原理により、モータは正確な回転運動を実現しています。


ハイブリッドステッピングモータの構造
(a)8極ステータ (b)永久磁石のローター(出典:ADI)

動作原理

ステータコイルに順番に通電すると磁界が発生し、ローターの永久磁石と相互作用してローターを回転させます。


ハイブリッドステッピングモータの動作(出典:ADI)

モータは1回転を等間隔に分割することで、正確な位置制御を実現しています。例えば、1回転あたりのステップ数が200のモータのステップ角は1.8°(360°をステップ総数で割った値)です。電流スイッチングが磁界を変化させ、位置フィードバックを必要とせずに(オープンループ制御)、ローターをステップ角度だけ回転するように制御します。この動作原理により、ステッピングモータは、精密な位置制御を必要とする多くの用途で他にはない利点を発揮します。

ステップ角度 = 360°/総ステップ数

ステッピングモータの駆動方法については、こちらをご覧ください。

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