私のリードスイッチはどうして壊れるのでしょう?

リードスイッチは近磁界を検出する手ごろな小型デバイスです。オープンのときは電流は流れず、百万回でないにせよ少なくとも数十万回動作することができます。回路が単に、近磁界の検出を示すリードスイッチの閉回路をチェックするような低電流のアプリケーションでは理想的です。しかし中程度の負荷電流を直接駆動することもでき、1アンペア以上の電流を扱うことができるリードスイッチもあります。

しかしながら、お客様の中にはリードスイッチの最大スイッチング電流を負荷が超えない限り、リードスイッチをどんな負荷にでも接続できると考える方がいらっしゃいます。このことは小型モータリレーのような誘導性負荷の場合には正しくありません。これらの負荷を直接駆動できるものもありますが、回路がオープンになった時、誘導性負荷の磁場が除去されたときに発生する電圧スパイクを制限するための対策を講じる必要があります。

モータやリレーコイルのような誘導性負荷は電流が流れる際にエネルギーを蓄積します。電流が遮断されると、エネルギーは何らかの方法で消費されなければなりません。そのような状況でリードスイッチがオープンになると、コイルに大きな電圧スパイクが発生し、そのときリードスイッチの接点間にアークが発生します。このことによりスイッチの寿命を大幅に縮め、極端な場合には接点が溶接されることもあります。

DCのアプリケーションでは、負荷に並列にダイオードを接続することにより、アークを最小限に抑えることができます。この構成により、電流をダイオードを通してコイルに戻す再循環をして、エネルギーを消費させているのです。

image
DCモーターに電力を供給するリードスイッチ

これは、リードスイッチの接点を保護するための非常に効果的な方法であり、小型モータなどの誘導性DC負荷に適しています。

しかしながら、リレーについては、このアプローチではリレー接点の寿命が大幅に短くなります。それはダイオードがコイル内の磁束の減衰を遅くし、そのため利用できるエネルギーが少なくなり、リレーのノーマリーオープンの接点の電機子を強制的にオープンにしてしまいます。リレーとリードスイッチの両方を保護するより良い解決策は、下図の回路のようにリレーコイルに並列に双方向TVS(過渡電圧抑制器)を接続することです。

image
リレーコイルに電力を供給するリードスイッチ

リレーの公称コイル電圧よりも高い逆スタンドオフ電圧のTVSを選んでください。

結論:

リードスイッチを使用して誘導性負荷に電力を加える場合、上記のように、回路にエネルギーを方向転換、または消費するデバイスを追加して、誘導性キックバック電圧スパイクからスイッチを保護する必要があります。







オリジナル・ソース(英語)