発振回路における基本波と3次オーバートーン

水晶振動子 は多くのアプリケーションで必要とされますが、必要な周波数に対して基本波と3次オーバートーンのどちらでデバイスを使うかを決定するのに直面することがしばしばあります。基本共振周波数は水晶の厚さに反比例するため、高い周波数で問題を起こすことがあります。簡単に言うと、より高い周波数で動作させると、水晶は壊れる危険性があります。そのため、より高い周波数では、ほとんどの水晶が3次オーバートーンで動作するように設計されています。

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上図を参照すると、3次オーバートーンの水晶の共振は基本周波数の3倍です。また他の振動状態の副産物であるスプリアスの応答があることが分かるでしょう。

水晶振動子は基本モードと各高調波モード用の直列RLCに電極の容量を表すコンデンサーを並列に加えた等価回路を持っています。3次オーバートーン水晶の抵抗値は、基本波の3倍以上あり、静電容量はほぼ9倍です。これは、Qパラメータと水晶のチューニング性に影響します。3次オーバートーン水晶は安定性が良く(Qが高く)なりますが、チューニングがずっと難しくなります。従って、補償回路を備えた発振器(VCXO/TCXO/OCXO)での3次オーバートーンの使用は、可能であれば避けた方が良いでしょう。




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