特定のアプリケーション向けに モータドライバ IC を選択する際には、そのデバイスがどれだけの最大電流を駆動できるかが重要な検討事項の 1 つとなります。デバイスと PCB の熱性能によって、モータドライバが安全に処理できる電流が制限されることがよくあります。このため、モータアプリケーションを設計する際には、モータドライバの総消費電力を計算することが重要になります。
モータドライバの概算損失を計算するには、FETのオン抵抗での電力損失など、モータドライバIC内部のすべての損失源を考慮する必要があります。
- Rds(on) の消費電力
モータドライバIC内部で最大に電力消費する要素は、FETのオン抵抗(Rds(on))です。例えば、Hブリッジ(ハイサイドFETとローサイドFETを使用)での消費電力は、次のようになります:
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ここで、P(Rds)は出力FETで消費される電力です。
HSはハイサイドFETの抵抗値です。
LSはローサイドFETの抵抗値です。
Io はモータに印加される RMS 出力電流です。 -
Rds(on)は温度とともに増加し、デバイスが加熱されると消費電力が増加することに注意してください。
- スイッチング損失
出力がハイからロー、またはローからハイに遷移する時、出力デバイスは、完全にオンになっているときよりも大幅に多くの電力を消費する線形領域を通過します。この電力消費はスイッチング損失と呼ばれています。
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近似計算による各出力のスイッチング損失:
ここで、Psw は、1 つの出力の総スイッチング損失(ワット)、
P(RISE)は立ち上がりエッジの間に消費される電力で、
P(FALL)は立ち下がりエッジの間に消費される電力です。 -
上の式を展開します。
ここで、Vmは電源電圧(単位:ボルト)、
Ioutは出力電流(単位:アンペア)、
tRは立ち上がり時間(単位:秒)、
tFは立下り時間(単位:秒)で、
fswはスイッチング周波数(単位:Hz)です。 -
ほとんどの場合、tRとtFの値はドライバのデータシートに記載されています。
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動作電源電流損失
実際のアプリケーションでは、モータドライバICによっていくらかの電流が消費されます。この消費電力は次のように計算できます:
ここで、Vmはモータドライバの動作電圧、Imはモータドライバの動作電流です。 -
その他の電力消費
モータアプリケーションによっては、LDO レギュレータを使用して外部負荷に電力を供給したい場合があります。このときの消費電力は、LDOでの消費電力は次のように計算されます。