当社では、さまざまなトランジスタの交換品をお探しのお客様からお問い合わせをいただくことがよくありますが、その中には、廃品となったり他のさまざまな理由で在庫がないものもあります。このガイドでは、代替品を探す際に一般的に行われる手順と、最良の代替品を見つけるための重要なパラメータについて説明します。
ここでは、可能性のある選択肢を決定するのに役立つ一般的な手順をご紹介します:
マーキングにもとづくトランジスタタイプの識別
トランジスタには通常、部品本体に品番の全部または一部が印刷されています。次の 図1 にマーキングの例を示します。
図1 - トランジスタのマーキング例
上記トランジスタに類似した部品は、Digi-Keyの検索バーに「bc547」と入力するか、検索エンジンで「bc547 トランジスタ」と入力することで見つけることができます。
通常、お使いのトランジスタの製造状況とIDは、オンラインでマーキングを検索して見つけることができますが、部品上のすべてのマーキングが品番に関係するわけではないことに注意してください。マーキングの中には、デートコードなど他のものを示すものもありますし、小型の部品では、簡単に検索できない符号化されたマーキングがある場合もあります。
オリジナルパーツのIDをネットで効果的に探すヒント:
- 結果を得る前に、トランジスタ部品のマーキングの異なるセグメントで検索する必要があるかもしれません。
- どのような部品の識別子があるか、また、部品のマーキング情報から、お客様の部品の識別に役立つ一般的に使用される文字列(品番)を以下に示します(ただし、包括的ではありません)。
バイポーラトランジスタ: 2Nxxxx, BCxxx, TIPxxx, MMBTxxx, 2SAxxx, 2SBxxx, 2SCxxx, 2SDxxx
FET: 2N700x, 2SJxxx, 2SKxxx, IRFxxx, MPSxxx, DMNxxx
検索している部品が廃番になっていて、ぴったりの部品を手に入れることができない場合はどうすればよいでしょうか? 以下にいくつかの追加手順と便利な検索パラメータの概要を説明します。
ご注意:このガイドは、代替部品を検索するための関連情報を提供する参照部品のデータシート/仕様書が入手可能であることを前提に書かれています。参照部品に技術的なデータシート/識別部品情報がない場合、代替部品の検索はかなり困難になります。
代替品を探す:トランジスタタイプ
マーキングに基づいてトランジスタを識別できても、特定の部品が入手できなくなった場合は、最も重要な識別特性をいくつか取り上げ、そこから絞り込んで代替品を探します。代替品を探す際に最初に考慮すべきことは、BJT、FET/MOSFET、IGBT、JFETなどの同じタイプの部品を見つけることです。当社サイトの製品検索では、検索バーに「トランジスタ」と入力し、結果のリストからトランジスタの適切なサブカテゴリを選択することで開始できます:
https://www.digikey.jp/short/z1mqfq
考慮すべきトランジスタパラメータ
当社サイトでトランジスタの代替品を検索する際の最初のステップは、元の部品の技術的な仕様をできるだけ多くの可能性を持たせたまま、可能な限りのフィルタオプションを用意しておくことです。一度トランジスタタイプの適切なサブカテゴリに入ると、パラメータ検索には「表示フィルタ数を増やす」ドロップダウンがあり、その部品のあらゆる可能なフィルタを有効にすることができます( 図2を参照)。これは、当サイトの「並べて表示」オプションにのみ適用されます。「スクロール」オプションが選択されている場合は、フィルタセクションで水平方向にスクロールしてフィルタ列を移動させることができます。)
Fig. 2 - DK サイト上の「表示フィルタ数を増やす」の位置
適切な代替品を見つけるために、フィルタセクション(該当する場合)から最初に選ぶべき最も重要な特徴は次の通りです:
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トランジスタタイプ/FETタイプ/IGBTタイプ:
どのタイプの表現かは、当サイトで閲覧しているトランジスタのサブカテゴリによって異なりますが、「タイプ」フィルタは通常、その部品の極性や構造を指定します。検索の最初に、その部品がNPNかPNPか、あるいはその他典型的な特徴があるかどうかを指定することが重要です (図3)。
図3 - バイポーラ(BJT)- シングル 製品ページのトランジスタ「タイプ」フィルタオプションの例
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パッケージタイプ:
スルーホールまたは表面実装トランジスタを交換する場合は、ぴったり合うように部品のフットプリントが同じであることを確認してください。一般的なパッケージを 図4に示します。パッケージタイプは、トランジスタのパラメータ検索ページの「パッケージ/ケース」フィルタで選択できます。
図4 - 一般的なトランジスタパッケージの種類とピン配置
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ブレークダウン電圧:
ブレークダウン/テスト電圧が元のトランジスタと同じか、わずかに高いことを確認してください。適用するサブカテゴリの各フィルタの正確な名前は次の通りです:
トランジスタ - バイポーラ(BJT) - 「電圧 - コレクタエミッタブレークダウン(最大)」
トランジスタ - IGBT - 「電圧 - コレクタエミッタブレークダウン(最大)」
トランジスタ - JFET - 「電圧 - ブレークダウン(V(BR)GSS)」
トランジスタ - FET, MOSFET -「ドレイン~ソース間電圧(Vdss)」
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最大電流:
必要な電流を通過させることができるフィルタのオプションを選択します。フィルタは通常、「電流 - ドレイン(Id) (最大)」または「電流 - コレクタ(Ic) (最大)」のいずれかで表されます。定格電流が元のトランジスタ以上であることを確認してください。 -
電流利得(BJTトランジスタ):
代替のBJT トランジスタを探す際、 他のコンポーネントが回路とどのように相互作用するかによってトータルゲインが決まるため、 電流利得が重要にな り ます。元のトランジスタのゲインが高い場合は、それに合わせてみてください。BJTページのゲインのフィルタは「Ic、Vce印加時のDC電流ゲイン(hFE)(最小)」と表示されています。 -
「オン」抵抗(FETタイプ):
RDS(ON)は、指定されたゲート-ソース間電圧を印加してFETをオン状態にバイアスした時のドレイン-ソース端子間の直流抵抗です。できるだけ元の参照部品に近い抵抗値を選択してください。 -
ピン配列の確認:
代替品のピン配列が参照部品と一致していることを確認してください。ベース/コレクタ/エミッタまたはゲート/ソース/ドレインのピン配列構成は、当サイトの各製品ページの「ドキュメントとメディア」の下にあるそれぞれの部品データシートに記載されています。 -
追加適用可能なパラメータのフィルタリング:
上記のフィルタを適用すると、ほとんどの結果ページは大幅に絞り込まれます。この時点で、お使いの元のトランジスタの仕様書やデータシートを確認し、当サイトの残りのフィルタを使って絞り込み可能な特性があるかどうかを確認し、当社が代替品として提供している最も近いオプションを見つけるのが最善です。
トランジスタの中には、適切な代替品を簡単に見つけることができるものもありますが、直接の代替品が存在しないものもあることを覚えておいてください。電気的にも物理的にも最も類似したオプションを絞り込み、メーカーの製品データシートを確認して、ご注文前にアプリケーションのニーズに合っているかどうかを確認するのが最善の方法です。
サポートが必要な場合は、ウェブチャット(英語のみ)、電子メール (japan.support@digikey.com)、またはフォーラムでのお問い合わせをご利用ください。