A級アンプ - 最高のサウンドの暖房器具

普遍的な真実にあがらうことはできません。静止している物体は静止したままですし、エネルギーを創り出すことも破壊することもできませんし、A級アンプには優れたヒートシンクが必要です。さて、A級アンプについてはそれほど普遍的な真実ではありませんが、まともなパワーを提供する単純なA級アンプを扱ったことがあれば、それは確かに真実であると感じたことがあるでしょう。最近、「信号がないのに、なぜA級アンプはこんなに熱くなるのだろう?」という内容の質問が投げかけられました。結局のところ、これは「バイアス」という1つのキーワードで答えられます。

バイアスとは、トランジスタが出力をしていないときのアイドル状態のことです。これは、信号が印加されていないときでも、常にトランジスタに電流が流れていることを意味します。行き場を失った電力は熱として放出されます。駆動に必要な電圧(別名、レール電圧)が高いほど、バイアス時に消費される電力は大きくなります。「なぜアイドル時にこれほど多くの電力を消費する必要があるのでしょうか?」との疑問が浮かびます。実際、信号が印加されていないのに、なぜトランジスタをオンにする必要があるの でしょうか?

バイアスを自動車のエンジンに例えてみましょう。トランジスタのバイアスはエンジンのアイドリングレベルと同じように見ることができますので、ここでは「アイドル」レートという用語が非常に重要になります。自動車が動いていないときでも、エンジンは指定された回転数で動いています。車が走っていないときでも、パワーはまだエンジンで消費されています。A級アンプでも同じことが起こります。信号が印加されるとバイアスはすぐにどちらの方向にも振れるようになります。信号待ちをするたびにエンジンが停止すると想像してみてください。確かに、その方がはるかに効率的ですが、再び走り出すときには、アクセルペダルを踏んでから実際に動き出すまで(エンジンが始動するまでの時間)のタイムラグが生じます。これらはアンプの世界にも存在します。これらはB級アンプと呼ばれ、独自の課題を抱えています。

ここで、自動車のエンジンの例えから離れましょう。あなたが最も慣れ親しんでいるエンジンは、AB級アンプに最も近いものでしょう。アイドリングはまだありますが、はるかに効率的な速度で回転します(エンジンは、車が動いていないときは500RPMで回転するのに対し、A級アンプでは動いていないときに2500RPMで回転します)。では、効率がそれほど悪いのに、なぜA級アンプはまだ存在しているのでしょうか?結局のところ、信号の忠実度に行き着きます。バイアスがトランジスタの電流飽和と電圧カットオフの真ん中にあれば、ほとんどの周波数にすぐに対応できます。その忠実度は、95%以上の電力を熱として放散する価値があるのでしょうか?まあ、それは誰に尋ねるかによります!




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