概して、下記のような低コストのワニ口クリップのリードは、製品のサイズが小さく、そして価格が低くなればなるほど、製造品質が悪くなる例です。
これらの製品によく見られる問題は、ワイヤリードとワニ口クリップ間の接続不良で、良い製品にあったったとしても下記のような、被覆を取り除いたワイヤの端が絶縁体の上にきちんと折り返されてはいるものの、圧着がひどいことです。
また、被覆を取り除いたワイヤの端が、ヘアスタイルが決まらないメドゥーサのようになっていて、圧着とは到底言いがたい仕上がりになっていることもまれではありません。
クリップとワイヤリードが完全に密着せずにその間に接触不良があると、その結果、抵抗が高くなったり、断続的な抵抗の変化が生じたりします。しかも、ワイヤリードとクリップが経年劣化で腐食するにつれて性能は悪化していきます。下の写真に示すように4線式抵抗測定法で新品のわに口クリップの抵抗を測定したところ、約1オームの抵抗を示しました。これは、同じ長さと同じサイズのワイヤリードで予想される抵抗値の約20倍です。同一パックの他のわに口クリップも同様の測定値でしたが、ワイヤリードをクリップに対して動かしたときに抵抗値が大幅に変化し、性能が悪化し始めていることを示していました。
当然のことながら、低コスト製品の品質はこのくらいであることが普通です。少なくとも1つ数ドルはする製品でないと、これ以上の品質は得られません。ただし、はんだ付けされた接続と適切な圧着により、このような製品でも使用可能になります。メーカーのパッケージから取り出した直後に行うことが一番ですが、ワイヤが腐食してはんだ付けが困難になる前、および不良リードが原因で問題が発生する前に行うことをお勧めします。 (ヒント:はんだ付けしてから、ワイヤを再度圧着して、絶縁被覆が溶けるのを最小限に抑えます。)
組み立てが不十分な製品を再加工するより、まずは独自に作成しようと思われる方は、とても扱いやすいシリコン絶縁テストリードワイヤが多くの方々に好まれています。また、クリップはここをクリックしてください。